シンガポール通商産業省(MTI)は10月14日、2026年第3四半期(7〜9月期)の国内総生産(GDP)速報値を発表しました。実質成長率は前年同期比5.4%で、市場予想の5.0%を上回りましたが、上方修正された第2四半期の6.2%からは減速し、2026年に入ってからでは最も低い伸びとなりました。季節調整済みの前期比では1.1%増で、第2四半期の1.5%増から鈍化しています。高い成長率が続いた上半期と比べると勢いはやや落ち着いた形ですが、市場予想は上回る結果となりました。
セクター別では、製造業が前年同期比7.5%増(第2四半期は12.9%増)となり、電子機器、精密工学、輸送機械、一般製造が成長を支えました。一方で、化学とバイオメディカル製造は減少しています。建設業は公共・民間の双方で工事量が増え、8.8%増(同6.1%増)でした。卸売・小売と運輸・倉庫は合計で8.0%増(同6.9%増)と加速しましたが、情報通信、金融・保険、専門サービスは合計4.3%増(同5.1%増)、宿泊・飲食や不動産などその他のサービスは2.1%増(同2.4%増)と、それぞれ伸びが鈍っています。
今回の数値はあくまで速報値であり、今後公表される確定値によって修正される可能性があります。成長ペースは第2四半期から落ち着いたものの、市場予想を上回る堅調さを保ったことで、製造業や建設分野の活動が底堅いことが示されました。一方で、サービス分野の伸びが緩やかになっている点も明らかになっており、今後は製造業の勢いがどこまで続くか、サービス部門がどう下支えするかが、シンガポール経済の通年の着地を左右する焦点となりそうです。














