香港の証券先物委員会(SFC)とマレーシア証券委員会(SC)は7月23日、上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(REIT)の相互承認およびクロス上場に関する覚書(MoU)に調印したと発表しました。今回の合意により、先物型・レバレッジ/インバース型、コモディティ型を含む幅広いETFが相互承認の対象に加わったほか、両市場のREITについても相手国での二次上場が可能になります。さらに、両市場での同時上場を目指す発行体が、目論見書を含む単一の申請書類で手続きを進められる簡素化されたデュアルIPO枠組みも新たに導入されました。あわせて、香港証券取引所(HKEX)はブルサ・マレーシア証券をRecognised Stock Exchangeに指定し、同取引所上場企業が香港での二次上場を申請できる道も開かれています。
今回の協定は、マレーシアが推進する「資本市場マスタープラン2026-2030」の一環として位置づけられ、同国を東南アジア地域への投資の玄関口とする狙いがあります。一方、香港にとっては中国本土とアジア各国とを結ぶ国際金融センターとしての地位を一層強化する意味を持ちます。両当局はこれまでも規制協力の実績を積み重ねており、SFCのケルビン・ウォン主席は、両市場が長年にわたり相互信頼に基づく実務的なパートナーシップを築いてきたと述べています。同時に、SCと香港会計・財務報告評議会との間でも情報共有や監督支援に関する覚書が別途締結され、投資家保護の強化も図られています。
今回の相互承認枠組みの拡大により、両市場の投資家はより幅広い規制商品にアクセスできるようになり、発行体にとってもクロスボーダーでの資金調達の選択肢が広がることが期待されます。SCのモハマド・ファイズ・アズミ議長は、今回の覚書が両市場間の投資機会を高め、金融的な結び付きを一段と深める実務的な枠組みになると強調しました。香港とマレーシア両当局は、今後も地域間の資本市場連携をさらに強化していく方針を示しており、中国本土と東南アジアを結ぶ結節点としての香港、地域のゲートウェイとしてのマレーシアという、両者の相互補完的な役割が一段と鮮明になりそうです。













