香港取引所(HKEX)のメインボードは、これまで世界最大のIPO市場としての地位を保持してきましたが、イーロン・マスク氏率いるスペースXの大型上場(調達額750億米ドル)を機に、その座をナスダックに明け渡しました。これを受け、香港特別行政区政府系のシンクタンクである香港金融発展局(FSDC)は、2026年7月15日の記者会見で、上場企業と投資家層の一層の多様化が必要だとの見解を示しました。FSDC会長のベンジャミン・ホン氏は、多様化こそが量ではなく質を高めると述べています。
LSEGデータ・アンド・アナリティクスによれば、近年香港で実施されたIPOの9割以上が中国本土企業によるものであり、上場企業の偏りが課題として指摘されています。ホン氏は、東南アジア(ASEAN)、中東、欧州からの発行体を呼び込むことで巻き返しを図れるとの見方を示し、ストック・コネクト制度を通じて中国本土の投資家にアクセスできる点は、香港ならではの強みだと強調しました。
FSDCは今後、質の高い上場企業と投資家層の裾野拡大を軸とした戦略を進める方針で、2026年8月には忍耐強い資本(ペイシェント・キャピタル)や金融インフラ、市場連携に関する報告書の公表も予定しています。今回の提言は、香港が国際金融センターとしての競争力を維持していく上で、量的な拡大だけでなく質的な多様化への転換点になるとみられています。













