シンガポール金融管理局、為替政策バンドの上昇率を据え置き——第3四半期GDPは前年同期比5.4%増と堅調

シンガポール金融管理局(MAS)は2026年10月14日、金融政策声明を公表し、為替政策の軸であるS$NEER(シンガポール・ドル名目実効為替レート)の政策バンドについて、上昇率を維持する方針を決定しました。バンドの幅と中心水準にも変更はありません。MASは7月の定例見直しで上昇率をわずかに引き上げており、今回はその姿勢を継続した形です。

据え置きの背景には、堅調な成長と落ち着いたインフレの組み合わせがあります。2026年第3四半期のGDP速報値は前年同期比5.4%増、季節調整済みの前期比では1.1%増となりました。一方、MASコアインフレ率は7〜8月に前年同期比2.1%と、第2四半期の1.5%から上昇しましたが、2026年通年の平均は1.5〜2.0%、CPI総合インフレ率は約2.0%の見通しが示されています。物価の伸びが緩やかな範囲にとどまるなか、為替を通じた引き締め度合いを現状のまま保つことが妥当と判断されたとみられます。

2027年のコア・総合インフレ率はいずれも平均1.5〜2.5%と予測されています。声明本文には2026年・2027年の通年成長率の数値は示されておらず、政府の公式見通しは11月に貿易産業省(METI)が発表する予定です。シンガポールは為替レートを政策の中心に据える数少ない国の一つであり、今回の決定は、同国に拠点を置く企業や投資家にとって、通貨と物価の見通しを織り込む上での重要な判断材料となります。


参照 : https://www.mas.gov.sg/news/monetary-policy-statements/2026/mas-monetary-policy-statement-14oct26

最新の投稿

カテゴリー