ベトナム航空、運賃上限撤廃とスロット優先割り当てを提案

ベトナム航空(Vietnam Airlines)は、政府に対して国内線の航空運賃に設定されている上限の撤廃と、主要空港における発着枠(スロット)の優先的な割り当てを正式に提案しました。この提案は、同国で現在進行中の民間航空法改正の一環として検討されているもので、国家フラッグキャリアとしての地位を維持しながら、持続可能な運営体制を確立する狙いがあります。

現在、ベトナムの国内線航空運賃には政府による価格上限が設けられており、これは消費者保護や物価抑制の観点から長年維持されてきました。しかし、ベトナム航空側はこの制度が自由な価格競争を妨げ、航空会社の収益性やサービス品質の向上にブレーキをかけていると主張しています。

この背景には、世界的な燃料費の高騰や運航コストの上昇があり、それに対応するための価格調整ができない現状があると言います。ベトナム航空は過去にも段階的な上限引き上げを求めてきましたが、今回の提案では「上限そのものを撤廃する」というより大胆な姿勢を示しています。

さらに同社は、空港の発着枠の優先的な配分も併せて要請しました。これは特に、混雑の激しいハノイのノイバイ国際空港やホーチミンのタンソンニャット国際空港などにおいて重要な課題となっており、限られた時間帯に多くの航空会社がスロットを争う中で、国家代表の航空会社が安定した運航スケジュールを確保できるようにする意図があります。

こうした提案が実現すれば、同社にとっての経営安定化はもちろんのこと、長期的には路線の拡充や新機材の導入、ひいては観光・ビジネス需要への対応力強化にもつながると期待されています。

一方で、市場自由化が進むことで運賃の高騰が発生する可能性や、スロット配分の不公平感といった課題も懸念されています。特に、競合するLCC(格安航空会社)にとっては、価格競争力の根幹に関わる問題であり、規制緩和が消費者の利益に必ずしも直結するとは限らないという指摘もあります。

現在、ベトナムの民間航空市場は急成長しており、2030年までに年間の航空旅客数が1億人を超えると予測されています。航空行政の見直しは、こうした需要の爆発的な増加に対応するためにも避けては通れない課題です。

今後、政府や関連省庁がこの提案をどう受け止めるか、そしてそれが法改正という形でどのように反映されるかが注目されます。ベトナム航空の動きは、今後の国内航空業界のルールづくりに大きな影響を与える可能性があります。

https://vietnamnews.vn/economy/1718011/vietnam-airlines-proposes-airfare-cap-removal-and-priority-slot.html