バミューダ、実質的支配者制度を刷新——中央登録簿の運用強化で透明性対応が新段階へ

バミューダで、法人の実質的支配者情報をめぐる制度整備が一段と進んでいる。Carey Olsenが2026年4月30日に公表した解説によると、バミューダでは「Beneficial Ownership Act 2025」が2025年11月に施行され、従来複数の法令に分散していた実質的支配者制度が一本化された。新制度では、対象法人に対し、実質的支配者に関する十分・正確・最新の情報を収集し、維持することが求められる。さらに、その情報はRegistrar of Companiesが管理する中央登録簿に反映される仕組みとなっている。 

実質的支配者情報の透明化は、近年の国際金融規制において重要なテーマとなっている。マネーロンダリング、租税回避、テロ資金供与といったリスクへの対応を目的に、各国・地域では法人の最終的な所有者や支配者を把握する制度の強化が進められている。バミューダの新制度も、こうした国際基準に沿って、企業情報の透明性を高めることを目的としている。Carey Olsenの別解説では、同法は2025年9月28日にRoyal Assentを受け、従来制度を置き換える形で、実質的支配者に関する透明性要件を大幅に拡張するものと説明されている。 

新制度の特徴は、単に登録簿を整備するだけでなく、情報の「正確性」と「最新性」を重視している点にある。対象となる法人等は、実質的支配者を特定するための合理的な手続きを取り、必要情報を登録・更新する必要がある。また、情報に変更が生じた場合には、一定の期間内に確認・更新を行うことが求められる。バミューダ法の条文上も、実質的支配者情報について、十分であり、正確であり、可能な限り最新であることが求められている。 

一方で、2025年12月には改正法も施行され、制度の一部について見直しが行われた。Carey Olsenによれば、Beneficial Ownership Amendment Act 2025は2025年12月30日に施行され、従来、一定の対象法人において実質的支配者となる前にRegistrarの事前承認を必要としていた規定が撤廃された。これにより、透明性確保の枠組みは維持しつつ、実務上の手続き負担を調整する方向性も示されている。 

バミューダは、保険、ファンド、国際ビジネス法人などの分野で存在感を持つオフショア金融センターである。そのため、実質的支配者制度の変更は、現地法人の設立・維持だけでなく、投資ストラクチャー、ファンド運営、コンプライアンス実務にも影響を及ぼす可能性がある。今後バミューダ法人を利用する企業や投資家にとっては、法人設立時だけでなく、設立後の所有構造の変更、株主・支配者情報の確認、登録簿の更新管理まで含めた継続的な対応が重要になるだろう。

今回の制度刷新は、オフショア法人を取り巻く環境が「秘匿性」から「透明性と説明責任」へ移行していることを示す動きでもある。バミューダでの法人活用を検討する際には、税務・法務上のメリットだけでなく、実質的支配者情報の開示・確認・更新義務を踏まえた体制整備が不可欠となっている。

https://www.careyolsen.com/insights/briefings/beneficial-ownership-regime-bermuda-overview