中国、民間企業保護の新法施行へ

中国では2025年5月20日、「民営経済促進法(Private Economy Promotion Law, PEPL)」が施行され、民間企業の権利保護と法的安定性の強化が図られています。これは中国初の民間経済を対象とした包括的な法律であり、長年の課題であった恣意的な行政執行や不当な取り締まりから企業を守ることを目的としています。

この法律の背景には、地方政府や治安当局による「深海漁業(deep sea fishing)」と呼ばれる越権的な取り締まり行為があります。これは、管轄外の地域で企業に対して架空または誇張された容疑をかけ、罰金や刑事責任を課す手法で、企業活動に深刻な影響を及ぼしてきました。PEPLは、こうした行為に対して明確な法的制限を設け、行政機関や公務員が違法行為を行った場合の責任追及を可能としています。 

具体的には、第61条で企業に対する違法な料金徴収や罰金の禁止が明記され、第45条では新たな法令の遡及適用を禁止しています。これにより、企業は予測可能で安定した法的環境の下で事業を展開できるようになります。 

また、PEPLは企業と行政機関との間のコミュニケーションを強化するため、苦情処理メカニズムや連絡窓口の設置を義務付けています。さらに、業界団体や商工会議所の役割も拡大され、業界標準の設定や紛争解決、企業の権利保護など、より積極的な関与が求められています。ただし、これらの団体がどれだけ独立性を持って機能できるかについては、専門家の間で意見が分かれています。 

この法律の施行は、過去数年間の規制強化や経済の減速により打撃を受けた民間企業にとって、大きな転機となる可能性があります。特に、中小企業やスタートアップ企業にとっては、法的保護の強化が新たな成長の機会をもたらすと期待されています。しかし、最終的な効果は法律の実際の運用と執行にかかっており、今後の展開が注目されます。

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