2026年1月14日(水)、セーシェル政府は定例の閣議を開催し、複数の重要な法案および政策関連の覚書を承認した。今回の閣議は副大統領のSebastien Pillayが議長を務め、社会的記念日から司法、医療、国際協力に至るまで、幅広い分野で今後の方向性を示す内容となった。
まず注目されるのが、「公共祝日(改正)法案2026」の承認である。この法案により、毎年2月1日が「奴隷制度廃止記念日」として新たに国の祝日に追加されることが決定した。これにより、2月1日はセーシェル全土で公式な祝日となり、歴史的に重要な奴隷制度廃止という出来事を国として正式に記憶し、次世代へと伝えていく姿勢が明確に示された。社会的包摂や歴史的正義を重視する政府の姿勢を象徴する決定といえる。
また、司法分野においては、2026年4月にセーシェルが「南部・東部アフリカ首席裁判官フォーラム」および「南部・東部アフリカ司法行政官協会運営委員会会合」を主催する提案が承認された。これには首席裁判官を対象としたリーダーシップ研修も含まれており、地域全体の司法運営能力や協力関係の強化に寄与することが期待されている。国際的な司法対話の場として、セーシェルの存在感を高める機会となりそうだ。
医療分野では、「1994年医師および歯科医師法」の廃止および全面的な改正が承認された。現行法は制定から30年以上が経過し、専門医登録制度が存在しないことや、現代の臨床実務を十分に反映していない点、さらに規制・懲戒・ガバナンス体制の弱さが指摘されてきた。今回の決定は、医療専門職の質と信頼性を高め、国民の医療安全を確保するための制度的な土台を再構築する重要な一歩と位置づけられる。
さらに、国際保健協力の分野では、アフリカ連合の専門機関であるAfrican Medicines Agency(AMA)に対し、10万米ドルの一回限りの拠出金を拠出することが承認された。これは拠出時期が遅れた形でのシード資金支払いだが、AMA条約第26条2項に基づく法的義務を履行するものでもある。AMAはアフリカ大陸全体で医薬品および医療製品の規制体制を強化することを目的としており、セーシェルとしても地域的な公衆衛生向上への責任を果たす姿勢を示した形だ。
今回の閣議決定は、歴史認識の再確認、司法と医療制度の近代化、そしてアフリカ地域との連携強化という複数の軸を通じて、セーシェルが国内外において持続的かつ責任ある国家運営を進めていく意思を示すものとなった。今後、これらの決定が具体的な制度改革や国際的評価へとどのようにつながっていくのかが注目される。














