ハノイ発。ベトナム農業・環境省は、施行から1年が経過した2024年土地法の改正に向けて、関係機関からの意見収集を進めている。同省によれば、この法律は施行後の運用でいくつかの課題が明らかになっており、特に地方自治体の二層制における土地利用計画に関連した問題が浮き彫りになったという。
現行の制度では、各地区レベルで毎年の土地利用計画を策定することが義務付けられており、これにより行政手続きが複雑化し、土地へのアクセスに時間がかかるだけでなく、土地の有効活用も遅れる傾向がある。法律上は、都市や農村の総合計画が存在する場合には個別の土地利用計画を省略できるとされているが、実際には都市計画や農村計画のカバー率が依然として低く、多くの地域で行政区域全体を網羅していない。その結果、追加の土地利用計画が必要となり、計画の重複や資源の無駄が生じているのが現状だ。
また、同省は、特定の場所が必要な事業や、APEC関連事業、自由貿易地域、国際金融・物流センターなどの外交・政治的に緊急性のある事業における土地収用について、現行法には明確な法的根拠が欠けている点を指摘している。土地の収用、補償、住民移転に関する規定も改正が必要とされている。
さらに、土地価格の決定に関しても見直しが求められている。改正案では、国家が土地所有の代表として土地価格の決定権を直接行使すべきだと強調されている。市場ベースの価格決定方式は廃止し、土地価格は国家が定める公式価格とする方向性が提案された。各種の評価方法で算出される価格はあくまで参考資料として扱い、最終的な価格決定は国家が担う方針だ。
土地価格の設定方法について、同省は二つの選択肢を示している。第一の案は、政府が5年ごとに土地価格表を公表し、ゾーンや特定の位置に基づく価格を設定する方式。現在のような毎年の価格表更新は廃止される。第二の案では、個別の土地価格の概念を廃止し、再び「K係数」と呼ばれる調整係数を導入する。このK係数は、特定地域や場所の価格変動を反映させるためのもので、5年ごとの価格表を基準に毎年補正する形となる。
農業・環境省は、これらの改正が行政手続きの効率化と土地利用の促進につながると期待しており、今後の議論の進展によって、土地法制の実務運用が大きく変わる可能性がある。














