香港ドル弱含み、12億ドル介入 HKMAの難しい舵取り

香港ドルが為替制度の弱めの水準に達したのを受け、香港の事実上の中央銀行である香港金融管理局(HKMA)が、約12億米ドル規模の米ドル売り介入に踏み切りました。この介入は、香港ドルが設定された為替変動バンド(1米ドル=7.75~7.85香港ドル)の弱側である7.85水準に達した後に行われたもので、3年ぶりの水準到達です  。

この動きにより、銀行間市場における現金量を示す「アグリゲート・バランス」は約94.2億香港ドルの縮小が見込まれています。これは、HKMAがドル売りにより香港ドルの流通量を抑制するためです 。

実は5~6月にかけて、香港市場には大型IPOや割安株を狙った資金流入が続いており、それにより一旦は香港ドルが強含みに。しかし、その後HKMAがドル売り介入を行ったことで市場に大量の香港ドルが供給され、逆に金利が急低下。これを受けてキャリートレード(金利差を狙った仕組み)を狙った投機筋が香港ドルを借りて他の市場へ流出させる動きが見られ、通貨に急激な変動をもたらしていました 。

このような中、香港ドルの先行きやインターバンク金利の動向についてはなお不透明感が強く、市場では「さらなる介入があるかもしれない」と警戒されています 。

今回のHKMAの措置は、ペッグ制を維持するために必要な措置だったと言えます。しかし、その副次的な効果として金利低下→投機活動→通貨変動というスパイラルが生まれる構図は、金融システム全体にリスクをもたらす可能性があります。

金利の低迷は一方で住宅ローンや企業の借り入れコスト低下につながるため、実体経済には一定のプラスにもなり得ますが、同時にバブル的な資金流出・流入を助長し、価格変動の激化を招く可能性もあります。

今後の焦点は、①追加介入の有無、②香港ドルの安定確保と金利の正常化の両立、③キャリートレードなど投機の抑制がどこまで可能か――です。HKMAとしても非常に難しい舵取りが求められている状況です。

https://www.channelnewsasia.com/business/hong-kongs-de-facto-central-bank-intervenes-hong-kong-dollar-hits-weak-end-trading-range-5204081