香港、新法で国家安全法違反者に労働組合の組織活動を禁止

香港立法会は2025年6月、国家安全法違反者が労働組合を設立または主導することを禁止する新たな法律を可決した。この措置は、国家の安全を脅かすとされる人物が、労働運動を通じて社会に影響を及ぼすのを防ぐ目的があるとされている。

新法の下では、国家安全法またはその他の重大な刑法違反で有罪判決を受けた者は、労働組合の理事や幹部、さらには創設メンバーになることが禁じられる。香港政府は、組合が「国家安全を損なう恐れのある活動」に利用されるリスクがあると強調し、国家の利益と社会秩序を守る観点からの必要な措置であると説明している。

この法改正は、香港の民主派運動を背景とした流れの中で生まれたものだ。特に2020年以降、北京主導の国家安全法の施行以降、多くの市民団体やメディア、労働団体が解散に追い込まれており、今回の法律もその延長線上にあるとみられている。著名な民主活動家や元立法会議員の中には、過去に労働組合を通じて市民運動を行っていた者も多く、この新法が彼らの活動再開を阻む目的もあると指摘されている。

一方で、香港の労働権擁護団体や国際的な人権団体からは懸念の声も上がっている。「国家安全」という広範な概念が過度に拡大解釈され、労働者の基本的な権利、特に結社の自由が侵害される恐れがあるという。国際労働機関(ILO)が定める労働者の権利基準に照らしても、今回の措置が違反にあたる可能性があるとの声も出ている。

今後は、実際にどのような基準で「不適格」と判断されるのか、また、既存の労働組合に対する監視体制がどれほど強化されるのかが注目される。香港における市民社会の自由はさらに狭まる可能性があり、国際社会からの反応も含めて、今後の展開が注目される。

https://www.jurist.org/news/2025/06/hong-kong-passes-law-barring-national-security-offenders-from-organizing-unions