香港のビジネス環境に対する信頼感が、米中関係の緊張が続く中でも回復していることが明らかになった。香港米国商工会議所(AmCham Hong Kong)が2日に公表した最新の調査によると、2026年に向けた今後12カ月の事業見通しについて、回答者の50%超が楽観的と答えており、前年の33%から大きく改善した。
この調査は、香港で事業を展開するAmCham加盟企業の上級意思決定者を対象に実施されたもので、世界経済や地政学的環境に不透明感が残る中でも、企業心理が持ち直している実態が浮かび上がった。一方で、企業が直面する最大の課題として、引き続き米中関係の緊張が挙げられている。報告書では、61%が将来見通し全般に対する不確実性を、62%が香港と中国本土との違いが見えにくくなっている点を、現在の地政学的環境下で自社に最も影響を与える要因として認識しているとした。
米国と中国は、関税問題をはじめとする複数の争点を巡り長年緊張関係にあるが、昨年10月には韓国で行われた首脳会談を経て新たな貿易休戦に合意している。米国は関税の一部引き下げに応じ、中国側は違法フェンタニル取引の取り締まり強化や米国産大豆の購入再開、レアアース輸出規制の一時停止などを約束した。ただし、こうした動きがあっても、企業の現場レベルでは地政学リスクへの警戒感が根強く残っていることが今回の調査から示された。
そのほかの課題としては、貿易関税の影響を挙げた企業が30%、米中双方の規制順守を負担と感じている企業が29%に上った。調査は2025年11月から2026年1月にかけて実施されている。注目されるのは、92%の多国籍企業が今後3年間、香港から本社を移転する計画はないと回答しており、同市が依然として企業拠点としての魅力を維持している点である。
香港政府も、消費者および企業マインドの改善に加え、米国での追加利下げ観測が消費や投資活動を後押しするとの見方を示している。一方で、地政学的緊張の激化など外部環境の不確実性は依然として続いており、香港経済は回復の兆しとリスク要因が混在する局面にある。今回の調査結果は、そうした環境下でも香港が国際ビジネスの拠点として一定の信頼を保っていることを示すものと言えそうだ。














