パナマ港湾権無効でCKハチソン苦境、法的打開策は限定的

香港系コングロマリットの**CK Hutchison Holdings**は、パナマ最高裁が同社の港湾運営権を無効とする判断を下したことを受け、法的に取り得る選択肢が極めて限られているとの見方が専門家から示されている。今回の判断により、同社子会社パナマ・ポーツ・カンパニー(PPC)が運営してきたバルボア港およびクリストバル港のコンセッションは失効し、長年にわたるパナマ運河周辺での事業基盤が大きく揺らいでいる。

法律事務所Hauzen LLPのマネージングパートナーであるバジル・ファン氏は、今回の判断を下したのがパナマ国内の最上級審であることから、国内での控訴の余地はほぼないとの認識を示した。その上で、理論上考えられる対応として、パナマ国外の裁判所で損害賠償を求め、海外に存在するパナマ資産の差し押さえを試みる可能性に言及している。ただし、その場合でも当該裁判所が管轄権を認めるかどうかが大きなハードルとなり、さらにパナマ側は国家免除を主張する公算が高いとされる。

今回の判断は、1997年制定の法律を違憲と認定したもので、PPCが有していた25年間の港湾運営権(2021年更新)を根本から否定する内容となった。PPCはこれに対し、判断は法的枠組みと整合していないと反論し、法的措置を検討する姿勢を示しているが、専門家の間では国内での逆転はほぼ不可能との見方が支配的だ。

一方、国際司法の場に直接訴える可能性についても慎重な見解が示されている。国際司法裁判所は国家間紛争のみを扱うため、CKハチソン単独での提訴は認められず、仮に訴えるとすれば**中国**政府が国家としてパナマを提訴する必要があると指摘されている。この点についても、現実的な選択肢とは言い難いとされる。

別の法律専門家は、仮に契約違反が認定されたとしても、それは契約解除に値する重大な違反ではなく、損害賠償で対処すべき問題だと指摘する。今回の無効化判断は商法の基本原則から逸脱しており、法的根拠が弱いとの批判も出ている。また、判断の背景には純粋な法解釈よりも地政学的圧力が影響している可能性があるとの見方も示された。

国際仲裁という選択肢については、International Centre for Settlement of Investment Disputes(ICSID)や、United Nations Commission on International Trade Law(UNCITRAL)に基づく仲裁が理論上は可能とされる。ただし、そこで補償を得られる可能性も高くはなく、外交的働きかけと並行した長期戦になるとの見方が強い。

今回の法的逆風は、パナマ当局による監査で示された「事業者が巨額の利益を得る一方、国家の取り分が少ない」との主張や、**アメリカ合衆国**が中国の影響力排除を歓迎した姿勢とも重なり、単なる商業紛争を超えた国際政治の文脈の中で進展している。北京は中国企業の権益保護を表明し、香港政府も強く反発しており、今回の判断は今後、パナマへの投資環境全体に影響を及ぼす可能性がある。

https://www.scmp.com/news/hong-kong/hong-kong-economy/article/3342013/ck-hutchison-faces-limited-legal-options-after-panama-voids-port-rights-experts

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