ベトナム税務当局は2026年3月、2025年度の個人所得税(PIT)確定申告および法人税(CIT)に関する最新の指針を公表しました。今回の通達では、特に中小企業(SME)に対する強力な支援策が再確認されており、初めて事業登録を行うSMEに対しては、登録日から3年間の法人税免税措置が適用されます。この措置は2025年5月以前に登録された企業であっても、残りの期間について継続して適用可能となっており、外資系スタートアップや小規模事業者の市場参入を強力に後押しする内容となっています。
一方で、税務コンプライアンスの厳格化も進んでいます。今回の指針では、1取引あたり500万ベトナムドン(約3万円)以上の給与や経費の支払いについて、現金での決済は損金として認められないことが明記されました。また、労働契約のない個人やサービス契約に基づく支払いについては、200万ドン以上の支払いごとに10%の源泉徴収が義務付けられており、企業側にはより透明性の高い財務管理が求められています。福利厚生としての健康診断費用についても、個人名が特定される場合は所得としてカウントされるなど、詳細な運用ルールが示されています。
これらの税制変更は、ベトナムでの事業運営において直接的にコストや管理フローに影響を与えるものです。特に免税措置の適用条件や、非現金決済の徹底は、監査時のリスク回避において極めて重要です。投資家や経営者は、最新の通達に基づいた社内規定の整備と、デジタル決済への移行を加速させることが、持続可能な事業展開への鍵となるでしょう。














