ベトナム政府は、国内で活動する外国人および外資系企業に対する管理体制を強化するため、新たな国外追放規則(政令59/2026/ND-CP)を2026年4月1日より施行することを決定しました。この新規則は、行政違反を犯した外国人に対する強制送還の手続きや一時拘留、護送のプロセスをより明確かつ厳格に定めたものであり、ベトナムに居住・勤務するすべての外国人に直接的な影響を与える内容となっています。
今回の改正では、ビザや一時居住カード(TRC)の有効期限を超えて滞在する「オーバーステイ」に対する罰則が大幅に引き上げられました。具体的には、16日以上のオーバーステイから国外追放の対象となる可能性があり、不法滞在期間が長くなるほど、高額な罰金に加えて最大10年間の再入国禁止(ブラックリスト登録)といった厳しい措置が科されるリスクが高まります。また、労働許可証(ワークパーミット)を持たずに就労することや、許可された職種以外での業務に従事することも、厳格な行政処分の対象として明記されました。新規則では、処分の対象となった外国人に対し、執行の48時間前までに理由を通知することや、自国の領事館へ連絡する権利などは保障されていますが、決定後の執行スピードは以前よりも迅速化される見通しです。
背景には、急増する外国人労働者やデジタルノマドの管理を適正化し、国内の治安と公共秩序を維持したいという政府の強い意向があります。特に、実態の伴わない企業を通じた不適切な居住証の取得や、観光ビザでの不法就労を撲滅するための「クリーンアップ」の一環と目されています。これにより、現地法人は外国人従業員の書類管理において、これまで以上のコンプライアンス遵守が求められることになります。
今後の展望として、ベトナムでのビジネスや生活においては、わずかな書類の不備や期限の見落としが致命的なリスクにつながる時代に突入したと言えます。政府はデジタル化による管理システムも導入しており、違反の検知精度も向上しています。ベトナム進出企業や居住者は、最新の規制情報を常にアップデートし、滞在資格の適正な維持を最優先課題として取り組む必要があります。














