RAKEZが英国で大型投資誘致。英系企業3,600社超が集まるUAEの拠点へ

ラス・アル・ハイマ経済特区(RAKEZ:Ras Al Khaimah Economic Zone)は2026年2月、ロンドンとマンチェスターを訪問する英国向けマルチシティ投資ロードショーを実施した。英国の投資家や業界リーダーとの直接対話を通じて、UAEへの事業展開・移転を検討する企業に対してRAKEZの優位性を訴えると同時に、両国間のビジネス関係のさらなる深化を図った。

RAKEZはアラブ首長国連邦(UAE)北部に位置するラス・アル・ハイマ首長国が運営する経済特区であり、フリーゾーン企業や工業企業を対象とした多様なビジネス環境を提供している。外資100%所有が認められ、法人税・個人所得税の優遇措置があり、輸出入手続きのシンプルさも魅力の一つだ。現在、3,600社を超える英国系企業がRAKEZで事業を展開しており、Ahmad Tea(紅茶製造)、A2C(航空客室乗務員訓練シミュレーター)、Spatial Composite(炭素繊維製造)、Green Rock Manufacturing Group(持続可能なパッケージング)、Waste to Wonder(サーキュラーエコノミー型再製造)など、ユニークな英国ブランドがラス・アル・ハイマを拠点として中東・アジア市場に展開している。

ロンドンではRAKEZが英国ドバイ商工会議所(BCCD)の事業説明会「Doing Business in Dubai and Northern Emirates」を後援。中東への進出を検討する英国投資家が一堂に会するなかで、RAKEZのビジネス開発責任者であるホリー・ガーフォース氏がパネルディスカッションに登壇し、ラス・アル・ハイマにおける事業設立・移転に関する実践的な知見を提供した。続くマンチェスターでは「UAEにおける正しい事業拠点選びの方法」をテーマとした意見交換が行われ、英国企業がUAE市場でコスト効率よく拡大するための選択肢としてRAKEZが紹介された。両都市での滞在中、代表団は先進製造業、サプライチェーン、プロフェッショナルサービスといったセクターの企業関係者と個別のB2Bミーティングも精力的にこなした。

RAKEZグループのCEOであるラミー・ジャラル氏は、「英国はRAKEZにとって引き続き最優先市場であり、英国企業の間では地域・グローバル展開のための拡張性が高くコスト効率に優れた拠点へのニーズが高まっています。ロンドンとマンチェスターでの直接対話を通じて、意思決定者の目標を深く理解し、ラス・アル・ハイマが自信を持って事業成長できるインフラと規制の明確性を提供できることを示すことができました」と述べた。

今回のロードショーが示す背景には、UAEとりわけラス・アル・ハイマが英国企業にとって魅力的な海外進出先として地位を固めてきた事実がある。英国のEU離脱(ブレグジット)以降、海外市場への多角的なアクセスを求める英国企業の動きは加速しており、UAEはその受け皿として機能してきた。RAKEZはこうした需要を的確に捉え、英国ネットワーク内での認知度向上と案件発掘を目的とした積極的な対外PR活動を展開している。

今後の展望として、RAKEZは引き続き欧州主要都市でのロードショーやビジネスイベントへの参画を計画しており、英国をはじめとする西欧諸国からの投資誘致を強化する方針だ。ラス・アル・ハイマ首長国自体も、アブダビやドバイとは異なる「コストパフォーマンスが高く落ち着いたビジネス環境」として差別化を図り、中長期的に外国直接投資(FDI)の受け入れ先として存在感を高めている。英国とUAEの貿易関係がさらに深まるなか、RAKEZがその架け橋としてどこまで影響力を広げるか、国際ビジネスコミュニティの注目が集まっている。

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