パナマ、経済的実体法の施行規則「執行令32号」を公布——2027年からの二段階基準運用に向け実務指針を明確化

パナマ経済財務省は9月2日付で、経済的実体法(2026年5月28日制定の法律526号)の施行細則となる執行令32号を公布しました。多国籍企業グループに属し、国外源泉の受動的所得を得るパナマ法人を対象に、実質的な事業活動の有無を判定する具体的な基準を初めて明文化したものです。基準は「軽減実体」と「完全実体」の二段階に分かれ、持株会社などには専任の適格取締役1名の国内居住や適切な物理的施設の確保を、事業運営会社にはこれに加えて専任の有給従業員配置や取締役会の年2回以上の対面開催などを求めています。

背景には、パナマが長年採用してきた属地主義課税(国外源泉所得を非課税とする制度)をめぐる国際的な圧力があります。当メディアが8月27日に報じた通り、法律526号は施行規則の公表期限を90日と定めていたものの、当初はこの期限を過ぎても規則が公表されず、企業側は具体的な対応策を描けない状態が続いていました。今回の執行令32号は、この空白を埋め、ペーパーカンパニーではなく実質的な事業拠点としての体裁を整えるよう多国籍企業に求める、国際基準に沿った制度設計となっています。

新基準は2027年1月1日以降に開始する課税年度から適用され、対象企業が最初の申告を行うのは2028年3月となる見通しです。基準を満たさない場合は、国外源泉の受動的純所得に対して15%の税率が課されるほか、追徴課税や延滞利息が発生するリスクもあります。なお、規制対象の銀行や保険会社、証券仲介業者、年金基金運用会社、海運事業者などはこの規則の適用対象外とされています。多国籍企業には2027年の本格適用までに、実体を伴う体制整備を進める時間的猶予が与えられた形です。


参照 : https://icazalaw.com/2026/09/economic-substance-regulations-executive-decree-no-32/

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