ベトナム、国家イノベーションセンターに新たな優遇策

ベトナム政府は、国家イノベーションセンター(NIC)に対して新たな優遇措置を導入する政令第97号(Decree No. 97/2025/ND-CP)を2025年5月5日に公布し、国内外のスタートアップやハイテク企業にとって魅力的な環境をさらに整備する動きを加速させています。今回の政令は、イノベーションを基盤とした経済成長の促進を目的にしており、ベトナムのスタートアップエコシステムに大きな影響を与えるものとして注目されています。

NICは2019年に首相決定によって設立され、計画投資省の下に運営される国家機関として、科学技術の発展を推進し、新興企業の成長を後押ししてきました。その設立以来、国内のスタートアップ支援だけでなく、海外からの投資や企業誘致にも力を入れており、ベトナムがASEAN地域におけるイノベーション拠点として台頭する土台となっています。

新たな政令では、NICおよびその関係者に対する一連の具体的な優遇措置が盛り込まれており、特に外国人専門家に対する労働許可の取得免除や、国家投資信用制度を通じた低利融資の提供、ハイテクパークにおける土地使用料やインフラ使用料の一部免除といった内容が含まれています。これにより、NICで活動する外国人専門家の参入障壁が大幅に下がり、より多くの国際的な人材がベトナムに集まることが期待されます。また、スタートアップ企業にとっては、資金調達の負担が軽減されるだけでなく、安定した拠点を構えるためのコストも抑えられるというメリットがあります。

さらに、NICの支援対象はテクノロジー分野に限定されず、教育、環境、農業、ヘルスケアなど多岐にわたっており、社会的課題を技術で解決しようとするスタートアップにも恩恵が広がることになります。これは、ベトナムが「イノベーションで社会を変える」という長期的ビジョンを明確に打ち出していることの現れです。

今後、NICが提供する新たなインセンティブが国内のスタートアップコミュニティの成長を加速させることは間違いなく、またそれが外国企業にとっても新たなビジネスチャンスとなることが期待されます。ベトナム政府は今回の政令を通じて、イノベーションを中心とした持続可能な経済モデルへの転換を強力に後押ししており、今後も法整備やインフラ投資を含めた支援が続く見通しです。

https://www.vietnam-briefing.com/news/vietnam-enhances-incentives-for-national-innovation-center-implications-for-business-and-startup-community.html