香港が新たに導入したステーブルコイン規制が、中国本土の金融機関から注目を集めています。中国最大手の証券会社である中信証券は、香港での現実資産のトークン化(RWA)のプロジェクトが急増すると予測しています。この動きは、香港がデジタル資産の国際的なハブとしての地位を強化しようとする戦略の一環であり、中国本土企業にとっても新たなビジネスチャンスを提供する可能性があります。
2025年5月21日に香港立法会で可決された新法案は、ステーブルコインの発行に関するライセンス制度を導入し、発行体に対して準備資産の管理、償還手続き、リスク管理などの要件を定めています。この法案は、香港金融管理局(HKMA)が進めるステーブルコイン発行者向けのサンドボックス制度を基盤としており、年内の施行が予定されています。
中信証券のアナリストである楊澤遠氏は、ステーブルコインが市場の流動性を高める安定化ツールとして機能し、中国本土企業が香港でRWAプロジェクトを展開する際の支援となると述べています。また、中国の証券会社である中信建投証券のアナリストであるYing Ying氏も、香港がトークン化されたRWAの「加速成長」段階に入ったと指摘しています。
香港は、デジタル資産の国際的なハブを目指し、2023年には小売投資家向けの暗号資産取引を許可する規制制度を導入しました。これにより、24社がライセンス申請を行い、10社が承認を受けています。また、店頭取引やカストディサービスに関する新たなライセンス制度も計画されています。さらに、香港政府は、暗号資産取引による利益に対する税制優遇措置を検討しており、富裕層や機関投資家の誘致を図っています。
このような動きは、中国本土での暗号資産取引が厳しく制限されている中で、香港が実験的な役割を果たす可能性を示唆しています。実際、中国の大手金融機関である交通銀行や珠海華発集団は、香港でデジタル債券を発行しており、香港を通じたデジタル資産の活用が進んでいます。
香港のステーブルコイン規制は、デジタル資産市場の健全な発展を促進し、国際的な投資家にとって魅力的な環境を提供することを目的としています。今後、香港がアジアにおけるデジタル資産の中心地としての地位を確立し、中国本土企業との連携を深めることで、地域全体の金融革新を牽引することが期待されます。














