ケイマン諸島の国際税務協力局(DITC)は2026年6月17日付の業界向けアドバイザリーにおいて、共通報告基準(CRS)および経済的実体(ES)報告に関する重要な変更点を明らかにしました。2025年分のCRS申告書・申告宣言書は2026年7月31日までに提出する必要があり、その後DITCポータルはXMLスキーマをバージョン2.0から3.0へ移行するため一時的に閉鎖される見通しです。あわせて、CRS2.0に対応した個人用・法人用の自己証明書様式も同局のウェブサイトで公開されました。
この見直しの背景には、2026年1月1日に発効した「CRS改正規則(CRS2.0)」があります。同規則により、複数の税務上の居住地を持つ口座保有者による「タイブレーカー選択」の適用が廃止され、生年月日・出生地・納税者番号の収集義務が非報告対象法域の関係者にも拡大されました。また暗号資産や電子マネー、中央銀行デジタル通貨(CBDC)が新たに「金融資産」の定義に含まれるほか、ケイマン域内に物理的所在を有する主要連絡担当者(PPoC)の選任が2027年1月31日までに義務付けられます。ES報告についても、当局からの提出期限リマインドメールは今後発行されないため、対象事業体は自らスケジュールを管理する必要があります。
DITCは、CRS管理様式やガイドラインの更新、ポータルへの二要素認証拡大などを2026年第3四半期中に順次公開する予定です。2026年分の申告期限は2027年6月30日に統一される見通しで、ポータル機能の全面再開も2027年初頭が見込まれています。当局は、期限内提出がなければ違反通知を経ずに罰則通知が発行され得る新たな執行体制についても注意を促しており、国際金融センターとしての透明性と信頼性を維持する姿勢を鮮明にしています。














