パナマ、賭博税廃止で観光誘致加速

パナマの賭博規制当局(JCJ:Junta de Control de Juegos)は2026年3月、カジノや賭け事の当選金に課されてきた5.5%の賭博税を廃止する方針を発表した。この税制は2015年に導入されたものだが、今回の決定は外国人観光客の誘致と同国のカジノ産業の競争力強化を目的としており、パナマの観光・財政政策における大きな転換点となる。

この税は導入当初から議論を呼んできた。その最大の理由は課税の仕組みにある。5.5%の税は純利益(ネット利益)だけでなく、掛け金そのものにも課せられていたためだ。つまりカジノで負けた場合でも、掛けた金額に対して税が発生する可能性があり、プレイヤーにとって実質的な負担は非常に大きかった。JCJはこの税について「市場が長い間不満を抱えてきた存在」と認め、外国からの訪問プレイヤーや観光地としてのカジノ施設に「参入障壁」を生んでいた可能性があると評価している。

パナマは中米に位置する経済の要衝であり、パナマ運河を中心とした物流ハブとして国際的な存在感を持つ。一方でカジノ産業も重要な観光インフラの一角を担っており、ホテルやエンターテインメントと並ぶ観光商品として位置づけられてきた。しかし近隣諸国と比べてゲーミング体験のコストが割高になるという構造は、特に外国人客の足を遠のかせてきた。賭博税の廃止は、パナマを国際的なカジノ観光地としてより魅力的にするための施策として位置づけられている。

廃止に伴い、JCJは残るギャンブル市場の税務管理の厳格化も並行して進める方針を示している。具体的には、ゲーミング施設の財務・運営データを監視するための新たな電子監査システムの導入が予定されており、無申告取引の割合を減らすことが目的だ。さらに追加の監査員の採用も計画されており、税収の透明性確保と脱税防止に力を入れる姿勢を見せている。今回の措置は単なる減税ではなく、監督強化と観光振興を組み合わせた政策パッケージとして理解されるべきだろう。廃止の対象はカジノのテーブルゲームにとどまらず、ビンゴやスポーツベッティングを含むあらゆる形態のギャンブルにおよぶ。

注目すべきは、この発表と時を同じくして、パナマとメキシコのユカタン半島を結ぶ「カジノ回廊」構想も浮上していることだ。中米全体における統合的なゲーミング投資エリアの形成を視野に入れたもので、パナマが単独でカジノ観光の誘致に動くだけでなく、地域全体の観光インフラと連携する方向性を模索していることを示唆している。国際的なカジノ業界からの関心や投資も高まる可能性があり、パナマが中米のゲーミング市場をリードする拠点として台頭するシナリオも現実味を帯びてきた。

https://igamingbusiness.com/casino-games/panama-announces-end-of-5-5-tax-on-gambling-winnings

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