ガーナのジョン・ドラマニ・マハマ大統領は、シンガポールで開幕した第8回アフリカ・シンガポールビジネスフォーラムで基調講演を行い、ガーナを「アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)への信頼できるゲートウェイ」として強くアピールした。マハマ大統領は、アフリカを「投資可能な大陸」と位置づけ、世界経済が分断の様相を深める中で、南南協力の深化が必要だと強調した。
マハマ大統領は、「アフリカは投資可能であり、ガーナは大陸への信頼できる入り口だ」と述べ、アフリカとアジアが世界で最も若く急速に都市化する二大地域であることを指摘。双方が資源や市場、技術において補完関係にあるとした上で、「雇用や技術移転、繁栄の共有をもたらす実践的なパートナーシップの推進が必要だ」と訴えた。
また、保護主義や関税の拡大が多国間主義を揺るがし、金融環境が厳しさを増す中で、新たな同盟関係の構築が重要であると警告。それでもアフリカには、14億人の若くデジタルに親和的な人口や、3兆4000億ドル規模のAfCFTA市場、モバイルマネーやフィンテック分野での先進性といった強固な基盤があると述べた。
実際にアフリカとシンガポールの貿易は2020年から2024年にかけて約50%増加し、140億ドルに達している。そのうち西アフリカが半分以上を占め、ガーナとシンガポールの二国間貿易も2024年には2億1500万ドルを超えた。ガーナにはすでに69社のシンガポール企業が進出しており、累計20億ドル以上を投資している。
マハマ大統領はさらに、ガーナをアフリカ全体へのビジネス展開の拠点と位置づけ、首都アクラにAfCFTA事務局を擁することや、ECOWASを通じて4億人超の消費者市場にアクセスできる点を強調した。その上で、「ガーナは24時間365日オープンなビジネス環境を整備している」とし、農業、工業、観光、物流の各分野で「Grow24」「Make24」「Show24」「Connect24」という4本柱の戦略を推進する方針を示した。これにより、農業用地の大規模灌漑、アグロ産業拠点の整備、観光資源の活用、内陸輸送網の強化などを通じて競争力を高める狙いだ。
ガーナ経済については、インフレの鈍化やセディ通貨の安定、格付けの改善傾向に触れ、投資判断を支援するための「信頼できるデータ」に基づいた分野別の投資機会マップを提示していることも紹介。シンガポールに対しては、金融、物流、技術分野での協力を呼びかけ、「プロジェクト準備、リスク管理、国際基準の適用におけるシンガポールの強みは、アフリカの事業を実現可能な投資案件へと変えるために不可欠だ」と述べた。
最後にマハマ大統領は、アフリカの年間1兆3000億ドル規模の資金需要や、インフラ整備、気候変動対策に伴う巨額の資金不足を指摘しつつ、「ガーナは安定した改革志向の国であり、AfCFTAに直結する市場規模と投資案件を持つ。長期的な信頼関係を大切にするパートナーだ」と投資家に呼びかけた。今回の訪問を通じて、ガーナがシンガポールを含むアジアとの連携を一層深め、アフリカ市場の新たな成長機会を引き寄せることが期待される。














