戦後50年、ベトナムは再びアメリカからの“脅威”に直面:関税という新たな戦場

ベトナム戦争終結から50年。かつてアメリカと戦火を交えた国・ベトナムは、今や急成長する経済国として世界の注目を集めている。しかしその未来に、ドナルド・トランプ大統領による「関税」という新たな障壁が立ちはだかろうとしている。

ホーチミン市の若者たちは、戦争を「歴史」として受け止め、今は未来への夢に胸を膨らませている。経済を学ぶ大学生のトゥン・リンさん(20)は、「グローバル化の中で、アメリカともっと貿易したい」と語る。若く、エネルギッシュで、野心に満ちた国民の姿は、街に林立するガラス張りの高層ビルやバイクが埋め尽くす道路にも表れている。

そんなベトナムは現在、製造業のハブとして中国の代替地となることを目指している。多くの台湾や中国本土の企業がベトナムに進出し、アメリカへの輸出を視野に工場を建設。しかし、トランプ政権はこれに対し、最大46%にも及ぶ関税を課す可能性を示唆しており、既にいくつかのプロジェクトが停止している。

この関税は、米中貿易戦争の延長線上にある。2018年の初動以来、ベトナムはアメリカ市場への「抜け道」として注目され、中国企業が“迂回輸出”の拠点として活用する事例も増えていた。そうした背景を踏まえ、トランプ氏は関税でベトナムにも圧力をかけようとしている。

だが、ベトナムはアメリカとも中国とも関係を深める必要がある立場にある。つい先日には、中国の習近平国家主席を迎え、友好を強調したばかりだ。一方で、米国との経済協力も積極的に推進しており、地政学的バランスを取りながら、国家の発展を模索している。

1975年の「再統一」から半世紀。かつて「サイゴン」と呼ばれた都市ホーチミンは、いまや新時代のベトナムを象徴する都市へと変貌を遂げている。戦争の記憶は薄れつつあるが、その教訓とともに、平和と繁栄を希求する意志は次世代に確かに受け継がれている。

https://www.bbc.com/news/articles/cjewggl0yqeo