ベトナム、改正雇用法で高齢者を正式に労働力として認定

ベトナムでは2026年1月から施行される改正雇用法により、高齢者が初めて明確に労働力の一員として位置づけられることになった。これは急速に進む高齢化社会に対応し、長年にわたって培われた経験や技能を持つ高齢者の役割を社会全体で認める画期的な一歩である。

今回の改正では、高齢者がより積極的に就労できる環境を整えるための新しい仕組みが導入されている。具体的には、再教育やスキル認定の機会、起業や小規模事業拡大のための融資制度、そして高齢者向けの職業訓練へのアクセスが強化された。また、雇用における差別禁止の対象に「年齢」が追加されたことで、高齢者も他の世代と同様に公平な就労機会を得る権利が保障されることになった。これにより、高齢者はもはや福祉の受益者としてだけではなく、国家経済と社会に貢献する重要な存在として公式に認められたのである。

この成果の背後には、ベトナム高齢者協会(VAE)の長年にわたる取り組みがある。VAEは国際NGOのHelpAgeと連携し、2022年から高齢労働者の現状調査を行い、そのデータを政策立案者に提供してきた。労働省との協議にも積極的に関わり、高齢者自身の声を政策に反映させる努力を重ねた。さらに、2024年12月には「高齢労働者の持続可能な雇用」をテーマとした全国ワークショップを開催し、企業や関係機関に向けて現場の声を発信する場を設けたことも大きな役割を果たした。

こうした活動の積み重ねによって誕生した新たな雇用法は、高齢者が社会の一員として生涯にわたり学び、働き、地域に貢献できる「アクティブ・エイジング社会」の実現を目指すベトナムの姿勢を示している。今回の改正はVAEにとって誇るべき成果であり、全国の高齢者にとっても「誰も取り残されない未来」への確かな一歩となるだろう。