2025年5月8日、米国のドナルド・トランプ大統領と英国のキア・スターマー首相は、米英間の新たな貿易協定を発表しました。これは、トランプ政権が4月に導入した「解放の日」関税政策以降、初の主要な貿易合意となります。
この協定により、米国は英国からの自動車輸入に対する関税を従来の27.5%から10%に引き下げ、年間10万台までの英国製自動車が対象となります。また、英国からの鉄鋼とアルミニウムの輸入関税も25%からゼロに引き下げられます。
一方、英国は米国からのエタノールに対する19%の関税を撤廃し、最大14億リットルの輸入を可能にします。さらに、米国産の牛肉、穀物、果物、野菜、タバコ、清涼飲料水、化学製品、機械類など、約5億ドル相当の農産物と工業製品の市場アクセスが拡大されます。
英国の平均関税率は5.1%から1.8%に引き下げられ、米国は英国製の航空機部品に対する関税を撤廃します。また、両国は非関税障壁の削減、通関手続きの簡素化、米国製品の英国市場へのアクセス向上など、貿易の円滑化に向けた取り組みを進めることに合意しました。
この協定は、第二次世界大戦の欧州戦勝記念日(VEデー)80周年に合わせて発表され、米英の「特別な関係」を象徴するものとされています。トランプ大統領は「これはアメリカにとって素晴らしい日だ」と述べ、スターマー首相も「貿易の促進と雇用創出につながる」と評価しました。
ただし、この協定は包括的な自由貿易協定(FTA)ではなく、特定の分野に焦点を当てた枠組み合意とされています。デジタルサービス税や医薬品、メディア分野の関税など、未解決の課題も残されており、今後の交渉が注目されます。
今回の合意は、米国が他国との貿易交渉を進める中での重要な一歩と位置づけられており、今後の国際貿易政策に影響を与える可能性があります。














