シンガポール、新たな企業支援策「SERT」を発表 外部ショックへの備え強化へ

シンガポール政府は2025年7月、企業の回復力を高める新たな支援プログラム「SERT(Support for Enterprise Resilience and Transformation)」を発表しました。国際的な不確実性が増す中、特に中小企業が世界の経済ショックや貿易摩擦の影響を最小限に抑え、持続的に成長できる体制を整えることが目的です。

この新制度では、グローバルなリスク、特に貿易障壁や地政学的な緊張などが企業活動に与える影響に対応するための支援が行われます。具体的には、企業が異なる市場への進出を目指す際の調査支援、現地でのパートナー探し、リスク管理の研修プログラムなどが含まれます。また、サプライチェーンの分散や、デジタル化による業務効率化など、企業が変化に強いビジネスモデルへ転換することも支援対象になります。

発表の背景には、アメリカによる新たな関税政策の余波や、中国との経済関係の複雑化、欧州の政策変動など、多方面からの圧力が企業に及ぶ懸念があります。特に中小企業は大手企業に比べ、こうした国際的なショックへの耐性が低く、政府はSERTを通じて支援のギャップを埋めることを目指しています。

政府関係者によれば、この取り組みは単なる短期的な補助金ではなく、企業自身が構造的な改善を行い、持続的に競争力を保つことを促す「トランスフォーメーション支援」の一環であると強調されました。企業が新興市場への進出や新しい収益源の開拓、さらには脱炭素やグリーン経済への移行といった長期戦略に着手する上でも、SERTは大きな後押しとなると期待されています。

今後、制度の詳細や申請条件などが順次発表される予定であり、多くの企業がこの新制度を活用して、世界経済の波に柔軟に対応できる基盤を築いていくことが注目されます。

https://www.channelnewsasia.com/singapore/sert-economic-resilience-business-grant-tariffs-5228891