MAS職員を騙る偽電話詐欺が急増中、シンガポール警察が警告

シンガポール金融管理局(MAS)と警察当局は、最近発生している詐欺の手口に関する警告を発表しました。詐欺師たちはMASの職員になりすまし、電話を通じて個人情報や銀行口座の情報をだまし取ろうとしています。2025年3月以降、すでに少なくとも3件の被害が確認されており、被害総額は約61万4,000シンガポールドルにも上ります。

この詐欺の主な手口は、シンガポール国内の番号を装った電話から始まります。電話の相手は自らをMASの職員と名乗り、被害者に「代表者登録簿(Register of Representatives)」で本人確認をするよう促します。しかし、この登録簿にはMASの職員情報は含まれていないため、これを使って身元確認をすること自体が不正確です。

さらに詐欺師たちは、被害者の銀行口座がマネーロンダリングに関与していると告げたり、個人情報が漏洩していると不安を煽ったりして、SingPassの認証情報や銀行口座の詳細を聞き出そうとします。場合によっては、指定された口座に送金するよう指示されるケースもあります。一部のケースでは、被害者の名前が表示されるPayNowアカウントが使われることで、送金が本物であるかのように見せかけられていました。

MASと警察は、市民に向けて「MASの職員が電話で個人情報や資金移動を求めることは一切ない」と強調しています。さらに、詐欺から身を守るためのポイントとして、「ACT」という行動指針が紹介されました。

まずひとつ目は、「Add(追加)」です。これは、ScamShieldというアプリをスマートフォンにインストールし、銀行口座の取引限度額を設定したり、Money Lockといった銀行のセキュリティ機能を活用したりすることを意味します。

ふたつ目は、「Check(確認)」です。予期せぬ電話やメッセージが届いた場合には、必ず政府の公式サイト(gov.sgなど)で情報の真偽を確認し、不安な場合にはScamShieldのヘルプライン(1799)に相談することが推奨されています。

最後に、「Tell(報告)」です。もし詐欺の被害に遭った、あるいはその疑いがある場合には、すぐに警察や銀行に報告し、家族や友人など周囲の人にも知らせて被害の拡大を防ぐことが大切です。

今回の詐欺事件は、デジタル社会における新たな脅威として私たちに警鐘を鳴らしています。ますます巧妙になる手口に対抗するためにも、常に情報をアップデートし、不審な連絡には冷静に対応する姿勢が求められています。政府機関や金融機関を名乗る電話でも、少しでも疑問を感じたら必ず公式の連絡手段で確認を行い、安易に個人情報を提供しないことが、被害を防ぐ鍵となります。

https://sbr.com.sg/financial-services/news/mas-and-police-issue-alert-impersonation-scam-using-fake-calls-0