ベトナム、電子身分証明・認証法案を国会に提出——オンライン詐欺対策とデジタル経済の法的基盤づくりへ

ベトナム政府は、電子身分証明・認証に関する法案を国会に提出しました。公安相のルオン・タム・クアン氏が提案内容を説明したと、10月27日付で報じられています。法案は、電子IDの作成・管理・利用や認証サービスに関するルールを定め、既存のデジタル身分証アプリ「VNeID」を組み込んだ国家レベルの電子識別・認証システムを構築することを柱としています。対象は個人や組織にとどまらず、製品、資産、データベース、ソフトウェア、取引、デジタル資産にまで広がる点も特徴です。

背景には、匿名SIMカードや偽アカウントの横行、サイバー犯罪、AIを悪用した生体情報の偽装といった課題があります。法案は偽の生体データやAI生成画像などによるデジタル身分の偽装を禁止するほか、認証サービス事業者の要件、サイバーセキュリティ、責任の所在も定めます。また、電子IDの国境を越えた相互承認の仕組みを盛り込み、ベトナム企業が国際的な要件を満たし、グローバルなデジタル貿易で競争しやすくなることを狙っています。VNeIDはシンガポールのSingpassやラオスのLAeIDとの連携試験も進んでいます。

法案は現在、国会で審議されています。議員からは概ね支持の声が上がる一方、審査を担当する委員会などからは、プライバシー保護の担保、データ収集の範囲の限定、実施コスト、さらに多様な対象に電子IDを適用することが現実的かどうかといった点で懸念が示されました。データ保護の明確化、相互運用性の基準、サービス提供者の説明責任を求める声もあります。成立すれば、ベトナムのデジタル政府・デジタル経済サービスを次の段階へ進める法的な土台になると見込まれます。


参照 : https://biometricupdate.com/202610/vietnam-proposes-digital-id-law-to-tackle-fraud-expand-national-framework

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