シンガポール金融管理局(MAS)は9月2日、エコノミスト向け調査「Survey of Professional Forecasters」の最新版を公表し、2026年通年のGDP成長率予測を6月時点の3.5%から5.0%へ大幅に引き上げました。非石油国内輸出(NODX)の伸び率予測も6.1%から17%へ、製造業の成長率予測も5.0%から8.4%へとそれぞれ上方修正されており、調査対象となった21人のエコノミスト全員が、AI(人工知能)関連需要を背景とした技術サイクルの持続的な上昇局面を、今回の上方修正の主因として挙げています。
この急激な上方修正の背景には、半導体・電子機器分野を中心としたAI関連投資の世界的な拡大があります。シンガポールは電子部品や半導体製造装置の輸出拠点として、こうしたAI投資ブームの恩恵を直接的に受けやすい産業構造を持っており、輸出主導型の成長モデルが再び機能し始めていることを、今回の調査結果は裏付けています。一方でインフレ率は総合で2.1%(前回2.3%から低下)、コアインフレも1.9%(前回2.0%から低下)と落ち着いた推移が見込まれています。
物価が安定する一方で景気拡大が急速に進んでいることを受け、調査対象のエコノミストのうち45%がMASによる金融引き締めを予想しており、金融政策の先行きにも関心が集まっています。もっとも、今回のAI関連需要主導の成長は一時的な押し上げ効果との見方も強く、2027年のGDP成長率は3.1%への鈍化(正常化)が見込まれています。シンガポール当局にとっては、目先の好況を活かしつつ、AI投資サイクルの反動にも備える舵取りが今後の課題となりそうです。
参照 : https://thekopinotes.com/articles/news/mas-september-2026-survey-gdp-investors/














