EU、非協力的税務国リストを更新 ベトナムなど追加

欧州連合(EU)の理事会は、税務分野における「非協力的な管轄区域リスト」を更新し、新たにタークス・カイコス諸島とベトナムの2か国を追加した。一方で、フィジー、サモア、トリニダード・トバゴの3か国は国際基準への適合が確認されたとしてリストから除外された。今回の見直しにより、リスト掲載国は合計10地域となった。

このリストは、EUが世界的な税のガバナンス向上を目指す取り組みの一環として2017年12月に創設されたもので、国際的に合意された税務基準を順守していない、あるいは一定期間内に是正措置を講じなかった国・地域が対象となる。評価は税の透明性、公平な課税、そして税源浸食や利益移転を防ぐ国際基準の実施状況などを基準に行われ、年2回更新されている。

今回追加されたタークス・カイコス諸島については、経済的実体要件の履行状況をめぐり、OECDの有害税制フォーラムから懸念が示されていたことが背景にある。また、ベトナムはOECDグローバル・フォーラムによる審査で、要請に応じた税務情報交換の基準を満たしていないと評価されたことが理由とされる。

一方、アメリカ領サモア、グアム、米領バージン諸島については、一定の改善努力が認められたものの、完全な基準順守には至っていないとして引き続き掲載された。ただし、付属文書では進捗状況が反映され、今後の是正に向けた動きが示されている。

また、理事会は併せて「現状文書」も更新した。これは、EUと協力しながら法制度の改革に取り組んでいる国々の進捗を示すもので、前向きな取り組みを評価し、改革を後押しする役割を担っている。アンティグア・バーブーダおよびセーシェルは、税務情報交換体制についてグローバル・フォーラムから肯定的評価を受け、約束を履行したとして同文書から削除された。ブルネイについては、国外所得免税制度の改革に向けて6か月の猶予が与えられている。

EUの非協力的税務国リストは、単なる「制裁リスト」ではなく、対話と改善を促す枠組みでもある。理事会の行動規範グループが各国と協議を行い、国際機関とも連携しながら是正を支援する体制が整えられている。リスト掲載は国際的な信用や投資環境にも影響を与えるため、各国にとっては無視できないシグナルとなる。

今回の更新は、基準未達の国が新たに加わる一方で、改善により除外される国もあるという「動的なプロセス」であることを改めて示した。次回の改訂は2026年10月に予定されており、各国の対応次第で国際税務の地図は再び塗り替えられる可能性がある。国際的な税の透明性と公正性をめぐる動きは、今後もEUの対外戦略の重要な柱であり続けるだろう。

https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2026/02/17/taxation-council-updates-the-eu-list-of-non-cooperative-jurisdictions-for-tax-purposes

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