中国11月の銀行貸出が急増、政策ツールの効果見え始める

中国の11月の新規銀行貸出が前月のおよそ2倍に増加したとする見通しが、ロイターのエコノミスト調査で示された。これは毎年11月に見られる季節要因に加え、9月に導入された政策金融ツールの初期効果が表れ始めた可能性があるとされている。調査によれば、中国の銀行が11月に供給した新規人民元建て貸出は約5000億元と予測されており、10月の2200億元から大幅に増加する見込みだ。ただし昨年11月の5800億元と比較するとやや低い水準にとどまる。

背景には、中国政府が導入した5000億元規模の政策ベースの金融支援策がある。Citiのアナリストは、手形割引レートが月を通じて上昇したことなどから、この新たな金融手段が貸出を押し上げた可能性を指摘している。一方で、住宅市場の低迷を背景に家計部門の借入需要が弱く、貸出全体の伸びを抑える要因になり続けているという。

現在、中国経済は第4四半期に入り勢いを欠いている。11月の製造業活動は8カ月連続で縮小を記録し、デフレ圧力の強まりが企業や家計の借入マインドを冷やしている。こうした中、中国のトップ指導部は、2026年に向けて内需の拡大と景気支援の強化を掲げ、輸出と投資依存からの脱却を目指す姿勢を示した。

11月のマネーサプライ(M2)は前年同月比8.2%増と予測され、10月と同じ伸び率が見込まれている。また、銀行貸出残高も前年同月比6.5%増となり、こちらも前月と同じペースが続くと見られる。さらに、資金調達全体の動向を示す「社会融資総量(TSF)」は、10月の8100億元から大幅に増え、2兆2000億元に達する見込みだ。政府債の発行が増えれば、この数字はさらに押し上げられる可能性がある。

中国政府は12月10日から15日の間に、貸出やマネーサプライの公式データを公表する予定であり、11月の金融市場の動向がどの程度政策の影響を受けたかが明らかになる見通しだ。今後の焦点は、デフレ圧力の中で家計需要がどこまで回復するか、そして政府がどのように内需拡大へ舵を取るかにかかっている。金融政策と大型支援策の効果が持続すれば、年末から2026年にかけて中国経済に下支え効果が広がる可能性があるが、住宅市場の調整が続く限り、不透明感は払拭されないままとなる。

https://www.reuters.com/world/asia-pacific/chinas-november-bank-lending-seen-more-than-doubling-previous-month-2025-12-09