ベトナム「特別消費税」制度が大改革、2026年1月施行へ – 新たな適用対象とコンプライアンス強化

2025年6月14日、ベトナム国会は「特別消費税法(Law No. 66/2025/QH15)」を可決し、2026年1月1日より新たな制度的枠組みへの移行が始まります。これは従来の制度に伴う矛盾や重複を整理し、有害消費への規制強化や環境保護、税収安定化を目的とした重要な改正であり、現行の規制は2025年末まで適用されます 。

本文では、まず新法の趣旨と改正の要点を明確に説明します。特別消費税(SCT)は従来からたばこやアルコール、高級車などに課税されてきましたが、今回の改正ではさらに範囲が拡大されます。具体的には、タバコ、アルコール(ビール・焼酎など)、高級車や大型バイク、飛行機、ガソリン、エアコン、遊戯用トランプやお札(紙銭)、ソフトドリンクなども対象となります。また、カラオケやマッサージ、ナイトクラブ、カジノといったサービス業にも適用範囲が広がり、消費行動に対する抑制と管理強化をねらいとしています 。

こうした適用対象の拡大は、国民の健康促進および環境保全を重視した政府の政策意図に沿うものであり、また税収基盤の強化を図る狙いもあります(いわゆる「健康税」的な役割) 。特にたばこや甘味飲料など、健康リスクの高い消費に課税することで、ライフスタイル変革のインセンティブにもなるとされています。

また、税率の構造や課税方式にも変化が見られます。たとえばたばこでは「絶対税額方式(per-pack)」や「混合方式(percentage+absolute)」の導入が提案されており、1パックあたり一定金額の課税と併用することで、価格帯の幅広い商品に対して効果的に課税することが可能となります 。例えば2026年にはタバコ1箱当たり2,000 VNDの課税を開始し、段階的に増額して2030年には最大10,000 VNDにする案などが示されています。

酒類に関しては、現在65%の税率が予定通り段階的に引き上げられ、2027年には約70%、そして2031年には90%に到達する見込みで、国会で承認されています 。これは当初提案された100%には及ばないものの、従来の健康政策に沿った減飲促進策です。

このように、制度変更は①適用対象の拡大、②税率・方式の見直し、③健康・環境・税収の政策目的、という三本柱で構成されています。企業や事業者は、2026年からの新制度を見すえ、仕入・価格設定・販売戦略を早急に見直す必要があります。

最後に、今回の改訂がもたらす影響と今後の展望についてまとめます。まず消費財メーカーや小売業者、サービス業においては、仕入原価や利益率への直結的な影響が避けられず、価格転嫁や販売戦略が求められるでしょう。一方で、健康・環境を重視する消費者行動変化を促し、代替品や低糖飲料、健康志向商品の新市場創出につながる可能性があります。また、税収の安定化により政府の公共投資や社会保障予算の拡充が期待されます。今後、運用細則やガイドラインが財務省や関係省庁から順次公表される見通しとなっており、企業は早期に専門家等と連携し準備を進めることが重要です。

https://www.vietnam-briefing.com/news/vietnam-updates-special-consumption-tax-system-new-compliance-starts-in-2026.html