アジアGSS+債券市場を牽引する香港、政策と発行体の進化が鮮明に

2024年、香港におけるグリーン、ソーシャル、サステナビリティ、そしてサステナビリティ連動(GSS+)債の国際発行額は431億米ドルに達し、前年比で43.2%も増加しました。この発行額はアジア全体の国際発行市場の45%を占め、香港が域内における持続可能な債券市場の主導的拠点であることを改めて示しています。一方、ローカル市場での発行額は108億ドルにとどまり、2023年の最高水準から41%低下しましたが、構成としては社会的債権やサステナビリティ債が33%の伸びを見せています  。

この傾向は、香港が持続可能性に関する国際的な「架け橋」としての役割を強化している表れでもあります。2024年5月に香港金融管理局(HKMA)が公布した「香港サステナブル・ファイナンス・タクソノミー」は、EU、中国本土、ASEANなど主要国のタクソノミーと整合しつつ、12の活動分野・4つの部門を定義し、クロスボーダー投資流動性を促進する政策基盤となっています 。

市場動向としては、GSS+債のうちグリーンおよびサステナビリティ関連債が87%を占め、社会債が12%、そしてサステナビリティ連動債は1%と報告されています。通貨別では米ドルが58%、人民元が33%、香港ドルが6%を占め、香港ドル建ては比較的控えめです。また、融資においても香港は活発で、415億ドルのGSS+ローンが発行され、その7割以上がサステナビリティ連動型ローンであり、通貨構成は香港ドル52%、米ドル36%となっています  。

さらに、香港証券取引所はオフショア中国グリーン債の上場拠点として依然として強固。2024年には、中国建設銀行による10億米ドル債のような大型案件が集まり、オフショア上場の43%を占めました ()。

こうした動向から見えてくるのは、香港が単なる債券発行市場に留まらず、政策・金融インフラ・市場制度の面で持続可能な投資を包括的に支える「持続可能金融ハブ」として進化しているという事実です。

国内のGSS+債発行額が減少した背景には、2023年に高騰したベースラインの反動があると見られますが、それを補うように国際発行が力強く伸び、構成も多様化しています。今後もHong Kong Taxonomyや国際協調の枠組みを活用し、アジアと世界をつなぐ金融の要所として一層の存在感を示しそうです。

政策面では、アジア域外との連携を促進するタクソノミーの運用拡大や、社債発行体による報告・情報開示の強化が鍵となります。これにより、投資家の信頼性が高まり、更なる資本流入と市場の成長が期待されます。

今後の展望としては、香港がアジア内外でのサステナブル債発行における「金融ブリッジ」としての立場を強固にし、環境・社会・経済面における持続可能な発展を金融市場から支える役割を担い続けることが予想されます。

https://www.climatebonds.net/news-events/press-room/press-releases/hong-kong-leads-asias-gss-bond-market-policy-issuer-landscape-evolves