米国、香港の自治侵害で中国・香港高官6人に制裁

米国政府は2025年3月31日、香港の自治を損なう行為に関与したとして、中国および香港の高官6名に対する制裁を発表しました。この措置は、同日に公開された「香港政策法に基づく年次報告書」と連動する形で発表され、香港国家安全維持法の施行による民主活動家への弾圧や、海外在住者への嫌がらせ行為への対応を強化する姿勢を示しています。

今回制裁の対象となったのは、董経緯(中国国家安全部元副部長・香港国家安全公署主任)、蕭沢頤(香港警察トップ)、区志光(元保安局次長)、黄福全(国家安全部門高官)、趙慧賢(元政府高官)、そして林定国(現法務長官)の6名です。これらの人物はいずれも、国家安全法の施行や運用において中心的な役割を果たしており、報告書によると、これらの行動が「一国二制度」の原則に対する重大な違反とされました。

特に問題視されているのは、民主活動家19人への取り締まり強化です。このうち米国市民1人と米国在住者4人が含まれており、彼らに対する拘束命令や賞金付きの指名手配が出されたことが、国務省の強い反発を招いています。国務長官アントニー・ブリンケン氏は声明で、「香港の自由と民主主義を守るため、引き続きあらゆる手段を講じる」と強調しました。

制裁対象者に対しては、米国内の資産凍結および米国人との取引禁止が科され、事実上の金融制裁が行われることになります。これにより、国際金融機関との関係や、個人の海外資産運用にも深刻な影響が及ぶ可能性があります。さらに、この制裁は他国の対中姿勢にも影響を与えることが予想され、欧州やアジア諸国の対応も注目されています。

一方で、中国政府はこの動きに対し「内政干渉」として強く反発。中国外交部は即座に声明を出し、米国に対する「断固とした対抗措置」を予告しています。香港政府も同様に、米国の制裁は香港の法治を脅かすものであると非難しています。

今回の一連の制裁と報告書は、香港の自由と自治に対する国際社会の懸念が依然として強いことを示しています。国家安全法の影響で市民の表現の自由や報道の自由が大きく制限されているとの指摘は後を絶たず、今後も米中関係、そして香港の将来に大きな影を落とすことになりそうです。

https://www.state.gov/u-s-sanctions-six-individuals-for-undermining-hong-kongs-autonomy