11月25日の朝、政府機関とビジネスコミュニティが直接対話するデジタル経済カンファレンスが開催され、関係者が課題や協力の可能性を共有する貴重な場となった。冒頭、VIR編集長のファム・ヴァン・ホアン氏は、いまベトナムは国家発展の新時代において、先進国へと飛躍する歴史的チャンスを迎えていると強調した。中所得国の罠を脱し、高所得国へ進むためには「科学技術」「イノベーション」「デジタルトランスフォーメーション」が国家の最優先課題であるという。
ホアン氏は、AIやビッグデータ、デジタル経済が世界の成長を牽引する時代において、知識と創造性、そして技術こそが最も重要な“国家資源”であると指摘した。特に5GとAIの融合は世界的なトレンドとなっており、スマート製造、ハイテク農業、物流など広範な産業にイノベーションをもたらし、デジタル経済成長の基盤になるという。
世界的にデジタル経済は新たな生産力と成長モデルを形づくり、各国がチャンスを掴む鍵となっている。東南アジアの中心に位置するベトナムは、この分野で最も急成長する国の一つとされ、第四次産業革命の中で世界と肩を並べる位置にある。2030年までにデジタル経済のGDP比率を30%に引き上げるという国家目標は、その強い意志を示している。
ベトナム政府や党はデジタル経済の重要性を早くから認識し、国家デジタルトランスフォーメーション戦略やデジタル経済発展計画を策定してきた。さらに、2021年に初のAI戦略を発表し、現在はそのアップデート作業が進行中で、年末には新たなAI戦略とAI法が完成する見込みである。AIを「知的インフラ」と位置づけ、国民の生活改善や持続的成長、国際競争力強化に資する国家ビジョンが打ち出されている。
また、デジタル経済加速のための4つの戦略的決議(No.57、68、59、66)も相次いで公布され、科学技術政策、国際統合、法制度改革、民間企業支援といった制度基盤が整えられつつある。これらは企業活動と市場拡大の新たな空間を開き、2045年までの先進国入りという国家目標に向けた推進力となる。
一方で、地政学・地経学の変化、各国の競争、生成AIを含む科学技術の急激な進展、気候変動やエネルギー安全保障の問題など、世界はかつてないほど複雑な局面にある。ベトナムもデジタル経済分野で大きな前進を遂げながら、依然いくつかの課題に直面しており、これらを乗り越えるには政府と企業の連携が不可欠だ。
今回の会議は、VIRが毎年開催するデジタルトランスフォーメーション会議シリーズの一環で、政策立案者、国内外の企業、関連団体が一堂に会する実践的な対話の場となった。デジタル経済成長の原動力、5GとAIの融合がもたらす未来、ベトナムがこれらの技術をどう活用して新たな価値を生み出すかについて議論が深められ、投資機会の創出や企業連携にも繋がる期待が高まっている。
急速に進むデジタル時代のなかで、ベトナムがそのポテンシャルを最大限に引き出し、未来の経済大国への道を歩むための重要な一歩となる会議となった。














