上海と香港のデジタル経済協力に関する覚書(MOU)締結から1年が経過し、両都市間の連携は実務的な成果を生む新たなフェーズに突入しています。2026年4月12日に香港で開催された作業部会の第1回年次総会では、香港のデジタルID「iAM Smart」と上海の行政アプリ「Suishenban」の連携成功が報告され、市民や企業が国境を越えて公共サービスを利用できる基盤が整いつつあることが示されました。
今回の協議では、デジタル政府の推進、データ要素の活用、企業向けサービスの拡充、そして研究・学術・産業分野の連携深化が主要テーマとして掲げられました。特に注目すべきは、上海の電子認証局が参加する「デジタル企業アイデンティティ・サンドボックス」プログラムの進展です。これにより、両都市間での法人デジタルIDの相互認証に向けた具体的な研究が進んでおり、オフショア法人を運営する企業にとって、行政手続きの簡素化と信頼性向上が期待されています。
また、AI(人工知能)を活用した公共サービスや、個人情報の適切なクロスボーダーフローの促進についても活発な意見交換が行われました。すでに5つの上海企業が香港に拠点を設立するなど、エコシステムの構築も加速しています。今後は「香港・上海協力オープンデータ・チャレンジ2026」などの取り組みを通じて、民間レベルでのデータ利活用も一段と活発化する見通しです。














