ルワンダと香港、二重課税防止協定に署名 投資環境強化へ新たな一歩

ルワンダと香港が、二重課税の回避と脱税防止を目的とした「租税条約(DTAA:Double Taxation Avoidance Agreement)」に署名した。署名は10月9日、香港で行われ、ルワンダ側からは財務・経済計画大臣ユスフ・ムランガ氏、香港側からは財経事務局長クリストファー・ホイ氏が出席した。

この協定により、両地域の投資家や企業が同じ所得に対して二重に課税されることを防ぎ、国境を越えたビジネスをより円滑に行える環境が整うと期待されている。条約の核心は、「所得が発生した国でのみ課税される」という原則であり、居住国側で再課税されることがなくなる点だ。

具体的には、配当への源泉徴収税率は最大7.5%、利子は8%、ロイヤリティ(知的財産権使用料)は9%、技術サービス料は10%に引き下げられる。また、ルワンダ国立銀行(BNR)、社会保障庁(RSSB)、アガチロ開発基金、ルワンダ開発銀行(BRD)といった公的機関、香港側では香港金融管理局や為替基金が、これらの税から完全に免除される。

さらに、両政府は税務情報の共有を通じて透明性と執行力を高める方針を掲げ、脱税防止の取り組みを強化する。付随する議定書では、ルワンダの付加価値税(VAT)、物品税、鉱物税、ゲーミング税などにも同様の枠組みを拡張することが明記されている。

投資家にとっては、条約発効後も最大5年間、既存の税制優遇を継続できることも大きなメリットだ。また、課税に関する紛争が生じた場合には、「相互協議手続き(Mutual Agreement Procedure)」を通じて、企業や個人が不当な二重課税を受けないよう調整する仕組みも導入される。

この協定は、2026年1月1日にルワンダで、同年4月1日に香港で発効予定だ。今回の締結は、アフリカとアジアを結ぶ経済・金融ネットワークの強化を象徴する一歩といえる。特に香港にとっては、アフリカ市場への玄関口としてルワンダを重視する姿勢が明確となり、ルワンダ側も国際金融センターとの連携を通じて、より広い投資誘致の可能性を開くことになるだろう。

この条約が実効性を持って動き出す2026年には、両地域の資本・サービス・人の流れがどのように変化するかが注目される。

https://www.newtimes.co.rw/article/30358/news/economy/rwanda-hong-kong-ink-new-tax-pact-here-is-what-it-means-for-economy