パナマ共和国が、欧州連合(EU)の「税制上の非協力的な国・地域」リスト、いわゆるブラックリストからの完全な脱却を目指し、新たな経済実体法の整備に向けた議論を本格化させています。2026年5月11日、パナマ議会で始まったこの法案審議は、パナマの税制をEUの国際基準に適合させ、金融の透明性を高めることを目的としています。今回の改革は、パナマを拠点とするオフショアエンティティに対し、より厳格な実体要件を課すものであり、国際的なビジネスハブとしての地位を再構築しようとする政府の強い意志が反映されています。
本法案の核心は、低税率または無税の管轄区域に居住する特定の事業体に対し、パナマ国内での最小限の経済的実体を証明することを義務付ける点にあります。具体的には、重要な事業活動を行っていることを証明できないエンティティに対し、その所得に対して15%の税率を適用するなどの措置が検討されています。これにより、実体のないペーパーカンパニーを利用した租税回避や乱用を防ぐ狙いがあります。パナマ当局は、これらの改革がEUの要求を満たすだけでなく、クリーンな金融投資先としてのパナマの信頼性を国際社会にアピールする機会になると強調しています。
今回の法改正は、パナマで法人を運営する、あるいは設立を検討している投資家にとって無視できない変化となります。経済実体法の強化は、短期的なコスト増や事務手続きの複雑化を招く可能性がありますが、長期的にはパナマがグレーリストやブラックリストから除外されることで、国際送金や銀行取引における摩擦が軽減されるという大きなメリットがあります。今後の審議の行方と、具体的な施行スケジュールを注視し、新たなコンプライアンス基準に合わせた事業体制の構築が求められるでしょう。














