香港政府は2025年の施政方針演説で、国際的な金融ハブとしての地位をさらに強化するため、特に富裕層向けの資産運用分野を後押しする新たな施策を発表しました。演説を行った李家超行政長官は、香港がアジアにおける主要な資産運用拠点であり続けるための環境整備を加速させると強調しました。
具体的には、ファンドやシングルファミリーオフィス、キャリードインタレスト(成功報酬)などに関する優遇税制を一層拡充し、資産管理業者や富裕層の誘致・定着を図ります。また、投資移民制度である「資本投資移民計画(CIES)」も見直され、超富裕層にとってより柔軟で魅力的な条件が整えられます。これまで非住宅用不動産の投資上限は1,000万香港ドルでしたが、1,500万香港ドル(約190万米ドル)に引き上げられます。一方で、住宅用不動産の投資上限は1,000万香港ドルのまま据え置かれるものの、物件の取引価格の基準は5,000万香港ドルから3,000万香港ドルへと引き下げられ、投資対象の選択肢が拡大されることになります。
これらの施策は、香港が持つ強固な金融インフラや国際的なネットワークを活かし、資産運用を中心にした持続的な成長を後押しする狙いがあります。同時に、フィンテックやグリーンファイナンス、資本市場など他の金融分野との相乗効果も期待されており、香港の国際金融センターとしての存在感を一段と高めることが見込まれます。今回の方針は、資産管理ビジネスを通じて富裕層の資本を取り込み、アジアにおける競争力を維持・強化するための重要な一歩といえるでしょう。














