香港中環で10億円強奪事件 警察が15人を逮捕

香港警察は、約10億円相当の現金が入ったスーツケースが奪われた事件をめぐり、関与したとして男女15人を逮捕したと発表した。事件は周到に計画されたもので、逮捕者の中には首謀者とみられる人物、実行犯、見張り役が含まれており、一部は地元の組織犯罪グループと関係がある可能性もあるという。

事件が起きたのは先週木曜日、香港島の中環(セントラル)地区という、金融機関や商業施設が集まる非常に人通りの多いエリアだった。当初、被害者の男性2人は外貨両替店の従業員と報じられていたが、警察の説明によると、実際には暗号資産関連事業も手がける日本企業の香港拠点で働く社員だったことが明らかになっている。

警察によれば、被害者らは現金を4つのスーツケースに分け、外貨両替店へ向かう途中だった。その際、3人組の男に待ち伏せされ、刃物で脅されてスーツケースを奪われたという。現金は日本円で約10億円、日本円以外に換算するとおよそ630万ドル相当とされており、香港でも極めて異例の高額強盗事件として注目を集めている。

捜査の過程で、犯行に使用されたとみられる車両からは出刃包丁のような刃物が押収された。しかし、現時点で奪われた現金はまだ発見されておらず、警察は行方を追っている。また、事件当日に大量の外貨を入れたスーツケースを所持していた中国籍の人物も一時拘束されたが、今回の事件との関連性は低いと判断された。

今回の事件は、金融都市・香港の中心部で発生した点や、日本企業の関係者が被害に遭った点でも波紋を広げている。暗号資産や高額現金を扱うビジネスの安全管理のあり方が、改めて問われることになりそうだ。警察は引き続き、残る現金の回収と事件の全容解明を進めており、今後の捜査の進展が注目される。

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