キプロス共和国は2026年5月、エネルギーや重要インフラ、重要なテクノロジーといった戦略的セクターにおける外国資本からの投資を厳格に審査する「対内直接投資(FDI)審査制度」を正式に導入しました。この措置は欧州連合(EU)全体の投資審査規則に足並みを揃えるものであり、国家安全保障や公共の秩序を脅かす可能性のある買収や投資を、政府が事前に評価・介入できる法的枠組みを確立することを目的としています。
新制度の導入により、EU域外の投資家が特定の重要セクターで一定以上の議決権を取得しようとする場合、キプロス当局への事前通知と承認が義務付けられることになります。審査の対象は、港湾や空港などの交通インフラから、再生可能エネルギー施設、サイバーセキュリティ関連企業まで多岐にわたります。これは、地政学的な重要拠点であるキプロスにおいて、外資の活力を取り入れつつも、核心的なアセットの管理能力を維持しようとする戦略的な判断といえます。
これまで比較的自由な投資環境を維持してきたキプロスにとって、この規制導入は大きな転換点となります。しかし、政府は「投資の予見可能性と透明性を高めるためのものであり、キプロスが依然として魅力的な投資先であることに変わりはない」と強調しています。グローバルな投資環境が変化する中で、キプロスは国際基準に準拠した強固なガバナンス体制を構築し、持続可能な経済成長を確かなものにしようとしています。














