英領バージン諸島金融サービス委員会(FSC)は2026年8月10日、業界回覧24号を発出し、同国金融調査局(FIA)が公表した「2026年信託・法人サービス業者(TCSP)戦略分析報告書」をライセンス保持者、特にTCSPに精査するよう促しました。同報告書は2023年1月から2026年3月までの間にTCSPセクターで報告された疑わしい取引の傾向、手口、新たなリスクを分析したものです。報告書では、詐欺が最も多く報告された前提犯罪であることが明らかにされました。
報告書が指摘する典型的な手口には、法人構造を用いた資金の階層化(レイヤリング)、実質的所有者の隠蔽、不動産投資を通じた資金の運用、専門家によるいわゆる「専門的幇助」、信託財産の不正な流用などが含まれます。また、報告書はTCSP関連リスクの国境を越えた性質にも言及しており、米国、英国、ロシア、ブラジルとの間でBVI法人企業への重要な関連性が確認されたことを明らかにしています。こうした背景には、国際的なマネーロンダリング対策・テロ資金供与対策(AML/CFT)基準の厳格化と、オフショア金融センターに対する国際的な監視強化があります。
FSCはTCSPおよび関連ライセンス保持者に対し、報告書の内容をAML/CFT/CPF(拡散金融対策)の枠組みに反映させるよう求めており、特に顧客の受け入れ・継続的デューデリジェンス、実質的所有者の確認、疑わしい取引の監視・報告体制の見直しを促しています。今回の公表は、英領バージン諸島が国際金融センターとしての規制水準を維持・強化し、将来の国際的な相互評価に備えるための継続的な取り組みの一環と位置づけられています。














