英国、ヒーリー財務相が就任後初の秋季予算を発表——光熱費支援と年金税控除を柱に、現金ISA上限の引き下げは撤回

2026年10月28日、英国のジョン・ヒーリー財務相は、就任後初となる秋季予算を発表しました。生活費対策として、イングランドのカウンシル税バンドAからDの世帯に100ポンドの一時金を支給するほか、ガスの基本料金を廃止して使用量に応じた単価に組み込む方針が示されています。2027年4月からは新たに年金税控除が導入され、個人事業主向けの取引控除は年1,000ポンドから3,000ポンドへ引き上げられます。全国生活賃金(21歳以上)も3.9%引き上げられ、燃料税の据え置きは2027年7月まで続きます。

今回の予算では、事前に議論を呼んでいた貯蓄関連の措置にも動きがありました。現金ISAの年間拠出上限を引き下げる計画は撤回され、年間2万ポンドの枠が維持されます。報道によると、予算責任局(OBR)の見通しでは実質GDP成長率は2026年に1.2%、2027年に1.0%とされ、その後は2028年1.6%、2029年1.8%と緩やかに回復する想定です。財政の余裕(ヘッドルーム)は2030年時点で約150億ポンドと、3月時点の約236億ポンドから縮小する見通しで、債務の利払い費も今年は約140億ポンド増える見込みと報じられています。

こうした限られた財政余地のもとで、政府は光熱費や食料品などの生活費負担の軽減と、財政規律の維持という二つの課題の両立を迫られます。貯蓄・不動産所得への課税強化も盛り込まれており、家計や投資家への影響は今後の詳細な制度設計によって左右されます。今後は議会での審議と関連法案の提出、そして市場や英国の個人・企業がこの予算をどう受け止めるかが注目点となります。


参照 : https://www.which.co.uk/news/article/autumn-budget-2026-when-is-it-and-what-will-it-contain-aQqC47O24jnl

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