シンガポールの経済展望が一段と明るさを増しています。2026年6月から7月にかけて、DBSやメイバンクなどの主要金融機関は、シンガポールの2026年通年の国内総生産(GDP)成長率予測を大幅に上方修正しました。当初の2%〜4%という政府予測に対し、現在は4.3%から4.6%に達するとの見方が強まっています。
この力強い成長の背景には、複数の要因が重なり合っています。まず、世界的な人工知能(AI)投資サイクルが継続しており、シンガポールの強みである半導体やメモリチップ、サーバー関連製品の輸出が急増しています。また、国内では公共住宅や交通インフラ、ホスピタリティ施設などの建設ラッシュが続いており、これが実体経済を下支えしています。
一方で、コスト上昇への懸念も無視できません。2026年6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は57.4と高い水準を維持していますが、エネルギー価格や賃金の上昇に伴い、7月からは電気・ガス料金の引き上げも実施されました。シンガポール金融管理局(MAS)は、当面は現在の金融政策を維持する構えですが、インフレ圧力が持続する場合には追加の引き締めが必要になるとの予測も出ています。
金融セクターに目を向けると、シンガポール証券取引所(SGX)では新規株式公開(IPO)の活発化が見込まれており、年間で20〜30件の上場が期待されています。ジョホール・シンガポール経済特区(JS-SEZ)への投資も加速しており、周辺地域との連携を深めることで、持続的な経済成長を目指すシンガポールの戦略が鮮明になっています。














