ベトナムのファム・ミン・チン首相は1月6日、カナダのランディープ・サライ国際開発担当国務長官の表敬訪問を受け、両国関係をさらに発展させるため、新たな成長ドライバーの推進が重要であるとの認識を示した。具体的には、科学技術・イノベーション、気候変動対策、エネルギー転換、インフラおよび物流分野の発展、さらには文化・人的交流の強化を挙げ、ベトナムとカナダが協力を深めていく必要性を強調した。
チン首相は、近年ベトナムで実施されてきたカナダの政府開発援助(ODA)プロジェクトについて高く評価し、これらが実践的かつ具体的な成果を上げ、2021〜2025年の社会経済開発計画や2021〜2030年の国家発展戦略の実行に重要な貢献を果たしていると述べた。また、ベトナムとカナダの包括的パートナーシップは、強固な政治的基盤と共通の利益・価値観に支えられ、順調に発展していると指摘した。
両国首脳は近年、多国間会合の場で頻繁に意見交換を行っており、2025年にはマレーシアで開催された第47回ASEAN首脳会議および南アフリカでのG20サミットの機会に、両国首相が2度にわたり会談している。こうした対話の積み重ねが、二国間関係の深化につながっている。
経済面では、2025年9月時点での両国間の貿易額が63億5,000万ドルに達し、ベトナムはASEANおよびCPTPPの枠組みの中で、カナダにとって有力な貿易相手国の一つとなっている。さらに、防衛・安全保障、教育、人的交流、地方間の連携といった分野でも協力が着実に進展している。
チン首相は、包括的パートナーシップを一層強化・深化させる意向を示し、あらゆるレベルでの代表団交流を促進するとともに、できるだけ早期に二国間関係を新たな段階へ引き上げることを呼びかけた。特に、経済・貿易・投資協力を両国関係の中核的な柱として拡大していくことの重要性を強調した。
加えて、カナダが強みを持つ先端技術分野を中心に、ベトナム人学生向け奨学金の拡充など人的資源育成面での支援を要請したほか、カナダ国内のベトナム系コミュニティを少数民族として認知することや、ベトナム国民に対するビザ政策の柔軟化についても期待を示した。
国際舞台においては、相互支援と連携の継続を確認し、ベトナムがASEANおよびASEAN主導の枠組みを通じて、カナダの地域関与を後押しする「橋渡し役」を果たす用意があると表明した。一方で、カナダにも、ベトナムが参加を目指す協力イニシアチブへの橋渡し役となることや、自由貿易の促進、国際法に基づく平和的紛争解決を支持する姿勢を維持することを求めた。
これに対し、サライ国務長官は、カナダが推進するインド太平洋戦略の下でASEANの中心的役割を重視していると述べ、気候変動対策、インフラ整備、エネルギー転換、重要鉱物の探査・加工、さらにはベトナム製品の対外輸出分野での投資において、ベトナムと協力する用意があると強調した。両国は今後、具体的なプログラムやプロジェクトを通じて協力を一段と深めていくことが期待されている。














