ベトナムが今、新たな国際的地位を築こうとしている。14回党大会に向けた草案文書では、これまで「積極的で前向きな外交」として主に経済分野に軸足を置いていた姿勢から、国の歴史・文化・地政学的な重みを反映した、より包括的で多面的な外交戦略へと明確に舵を切ったことが示されている。防衛、安全保障、技術分野までを総合的に捉え、国としての存在感をより確固たるものにしていく方針が浮かび上がる。
こうした変化を象徴する出来事として挙げられるのが、先月ハノイで開かれた国連サイバー犯罪防止条約の調印式典だ。これまで国際問題に“参加する側”だったベトナムが、国際社会で“貢献し、牽引する側”に回り始めていることを鮮明に示した。この動きは、経済的発展と外交力の双方で着実に歩みを進めてきた同国の新たなステージを象徴している。
また、草案が成長の中心と位置づけた民間部門について、専門家はその潜在力を高く評価している。豊富な資源、迅速な意思決定、柔軟かつ効率的な経営が国家全体の成長エンジンとして大きな役割を果たす一方、社会の安定と公平、持続可能な繁栄のためには国家の適切な調整と規制が不可欠だと指摘した。
一方、草案には2026〜2030年の平均GDP成長率10%、そして2045年までに先進国入りを目指すという極めて野心的な目標も盛り込まれている。専門家はこれを「実現可能」としつつも、徹底した構造改革が条件だと強調する。持続的な高成長には、投資比率40〜45%、貯蓄率40%超、FDI比率6〜10%、輸出年15%増、労働生産性年7〜9%向上といった指標が求められると分析した。
これらを達成するためには、企業の資金繰り改善のための信用供給拡大、交通・エネルギー・教育・デジタル接続といった基盤整備、さらにAI時代に向けた社会全体のデジタル強靱化が不可欠だ。あわせて、党書記長トー・ラム氏が示す国家発展ビジョンに沿い、国内外の資源を総動員し、インフラの近代化や成長力の底上げを図ることも求められている。
海外に暮らす約600万人のベトナム人コミュニティも、大きな力となる可能性を秘めている。専門家は、知識・経験・金融資源を持つ海外ベトナム人がより柔軟に祖国に貢献できるよう、働き方、住宅、教育、医療など多面的な支援制度の整備を提案した。また、優秀な科学者を国内に呼び込む成功例をさらに拡大し、世界の人材が自然と集まる魅力的な国へと育てていくべきだと強調した。
ベトナムは今、歴史的転換点に差し掛かっている。外交の強化、民間の活力の引き出し、構造改革、インフラ投資、人材循環の促進——これらが一体となって動き出すことで、同国は新たな国際的地位へと向かって力強く歩み続けることになるだろう。














