米商務省は9月2日に、医療用品や個人用防護具(PPE)、ロボティクス、産業機械の輸入に関する新たな国家安全保障調査(いわゆる「232条調査」)を開始したことを明らかにした。この動きはこれまで公表されていなかったが、今後、幅広い医療・産業製品に対する追加関税の根拠となる可能性がある。
調査の対象には、マスクや注射器、輸液ポンプなどの医療機器に加え、プログラム制御による産業用ロボットやプレス機などの機械設備も含まれる。商務省は企業に対し、ロボティクスや産業機械の需要見通しや、国内生産がどこまでその需要を満たせるのか、また外国の供給網にどの程度依存しているかについての情報提供を求めている。
医療分野では、サージカルマスク、N95マスク、手袋、防護服、ガーゼ、縫合糸、点滴バッグ、車椅子、病床といった幅広い医療・外科用品が調査対象となる。さらに、心臓ペースメーカー、インスリンポンプ、冠動脈ステント、人工心臓弁、補聴器、義肢、血糖値モニター、整形外科機器、CTスキャナーやMRIといった高度医療機器も含まれている。
商務省はまた、米国内の需要をどの程度国内生産でまかなえるかや、中国をはじめとした主要輸出国の役割、外国政府による補助金や不公正な貿易慣行が米国の医療需要に与える影響についても企業に回答を求めている。なお、医薬品や処方薬、さらにはドローンに関しては別の調査が進行中である。
ロボティクス関連では、切削や溶接、部品ハンドリングに用いられる工作機械や、オートクレーブ、産業用オーブン、レーザー・ウォーターカッティング装置などが調査範囲に含まれている。
米国は過去にも、風力タービンや航空機、半導体、大型トラック、ポリシリコン、銅、木材、重要鉱物といった多様な輸入品に関して232条調査を実施してきた。今回の調査は、サプライチェーンの安全保障や産業競争力強化を背景にした一連の取り組みの一環であり、今後の関税政策に大きな影響を及ぼす可能性がある。














