シンガポールの民間住宅市場では、2025年9月のコンドミニアム賃料が前年同月比で3%上昇したことが、不動産プラットフォームの99.coとSRXの最新データで明らかになった。地域別では、中心地域(CCR)が3.6%、準中心地域(RCR)が3%、郊外地域(OCR)が2.7%といずれも上昇を記録している。
一方で、賃貸契約件数は前月比18.9%減の約6,446戸となり、8月の7,949戸から大幅に減少した。ただし、前年同月比では4.4%増、過去5年平均と比べても0.8%低い水準にとどまっており、市場全体では堅調な需要が続いている。
地域別の賃貸シェアは、OCRが32.7%、RCRが34.8%、CCRが32.4%を占めた。
一方、公共住宅(HDB)の賃料は前月比でわずか0.1%の下落にとどまった。成熟エリアでは0.3%の上昇、非成熟エリアでは0.6%の下落と、地域によって動きが分かれた。
間取り別では、3ルームが0.6%上昇したのに対し、4ルームは0.1%、5ルームは0.4%、エグゼクティブタイプは3%の下落となった。前年比ではHDB全体で2.7%上昇し、成熟エリアが3.3%、非成熟エリアが1.8%の上昇を見せた。
9月のHDB賃貸契約数は推定2,615件で、前月比5.2%減。8月の2,759件から減少したが、前年同月比では11.9%増、過去5年平均を7.3%上回る水準となった。間取り別では、4ルームが36.6%で最多、続いて3ルームが33.7%、5ルームが24.5%、エグゼクティブが5.1%を占めている。
市場関係者によると、9月の賃貸活動の減速は学校の休暇シーズンが影響しており、家族や外国人駐在員の引っ越しや契約更新が一時的に先送りされたことが要因とみられる。ただし、空室率の低さと家主側の強気な賃料設定が続いており、全体として高止まりの傾向が続く。
アナリストは、「雇用と人口の堅調な増加が支えとなり、2025年後半にかけて賃料は安定的に推移する可能性が高い」と分析しており、過去数年の急上昇を経て市場は“ソフトランディング(軟着陸)”の段階に入ったとの見方を示している。














