EU・シンガポールFTA国内諮問グループ、第9回会合を開催へ

EUとシンガポールの自由貿易協定(FTA)に基づく「EU国内諮問グループ(DAG)」の第9回会合が、2025年12月16日に欧州経済社会評議会(EESC)で開催される。この会合は、2025年から2028年までの新たな任期における最初の会合にあたり、今後数年間のDAGの活動方針を方向づける重要な節目となる。

今回の会合の大きな特徴は、貿易と持続可能な発展(Trade and Sustainable Development:TSD)分野での相乗効果を高めるため、日本および韓国とのFTAに基づくEU側DAGと合同で実施される点にある。地域や協定は異なるものの、共通する課題や経験を持つグループ同士が一堂に会することで、ベストプラクティスの共有や相互理解を深める狙いがある。これにより、DAGの役割や影響力をより実効的なものにしていくことが期待されている。

会合では、EU加盟国の市民社会を代表するDAGメンバーと、欧州委員会の通商総局(DG TRADE)、さらにシンガポール、東京、ソウルに駐在するEU代表部との意見交換も予定されている。アジア地域を取り巻く通商・経済の見通しや、今後のDAGとの協力に対する期待について議論が交わされ、EUとアジア主要パートナーとの関係強化に向けた共通認識を形成する場となる。

また、この第9回会合では、2025年から2028年の任期におけるEU DAGの新たな議長団の選出が行われるほか、今後数年間に取り組む優先課題についての協議も行われる。特に注目されるのが、EU・シンガポールFTAに盛り込まれているTSD章の実施状況の確認であり、労働基準や環境保護といった分野で協定がどのように機能しているかを検証する重要な機会となる。

このように、今回の会合は単なる定例会議にとどまらず、EUとシンガポール、さらには日本・韓国を含むアジア地域との持続可能な貿易関係をどのように深化させていくかを考える戦略的な場といえる。市民社会の声を通商政策に反映させるDAGの役割は今後さらに重要性を増すとみられ、今回の議論と決定が、次の数年間の協力の方向性を大きく左右することになりそうだ。

https://www.eesc.europa.eu/en/agenda/our-events/events/9th-meeting-eu-domestic-advisory-group-under-eu-singapore-free-trade-agreement