シンガポールの代表的な株価指数であるストレーツ・タイムズ指数(STI)が11月13日に史上最高値となる4,575.91を記録し、翌14日には4,546.07で取引を終えた。今年に入り、指数は価格ベースで20%、総収益ベースでは25.8%と高いリターンを示し、特に下半期の力強い伸びが全体を押し上げている。2025年後半、ブルームバーグのコンセンサス予想も12%上方修正されており、市場の期待感がより強まったことが背景にある。
この流れに合わせて、STIに連動するETFへの投資も活発化している。SPDR STI ETFとAmova STI ETFの合計運用資産は33.8億ドルに達し、今年だけで3億4,900万ドルの純流入があった。10月だけで6,500万ドルが流入し、同月の平均日次売買代金は650万ドルと、4月以降で最も高い水準となった。2019年から2025年11月14日までの年率換算総リターンは10.2%と堅調で、積立投資(ドルコスト平均法)でも年平均8.3%の成長率を示している。
STIの中心を担うのは依然としてDBS、OCBC、UOBの3大銀行だが、指数に占めるセクター比率は約50.4%と、2024年末の53.7%からわずかに低下した。それでも業績は堅調で、2025年第3四半期には非金利収入が合計50.6億ドルと前期比13%伸び、金利収入も12四半期連続で80億ドル超えを維持している。特にOCBCは資産運用部門が好調で、手数料収入が35%増加し、運用資産残高も過去最高の3,360億ドルに達した。一方、UOBは予防的措置として6億1,500万ドルの引当金を計上したことで利益がやや抑えられ、DBSは3%の増益を確保した。
指数全体のバリュエーションも上昇傾向にあるが、2008年以前の水準にはまだ及ばない。11月14日時点でSTIのPBRは1.5倍と中間期の1.3倍から上昇したものの、金融危機前の約2倍には届かない状態だ。構成銘柄全体の中央値は1.2倍で、銘柄ごとの差は大きく、STエンジニアリングは年初来85%と最も高いリターンを誇り、PBRは9.8倍と突出している。対照的に、香港置地はPBR0.5倍ながら上位のパフォーマンスを記録しており、投資家が割安銘柄にも積極的な姿勢を見せていることがうかがえる。
売買動向では、DBSが日次平均売買代金2億2,400万ドルと市場をけん引し、STI構成銘柄の時価総額は6,818億ドルに到達。日次売買代金合計は11.8億ドルと活況を呈する一方で、機関投資家の資金は年間で25.7億ドルの純流出となり、個人投資家が相対的に市場を支えている。
STIは史上最高値を更新し、金融セクターの堅調さ、ETFの資金流入、バリュエーションの改善など複数の要因が指数を押し上げている。今後の展望としては、世界的な金利動向や地域経済の活力が引き続き大きな影響力を持つだろう。銀行頼みの構造からの徐々な分散も進んでおり、投資家にとっては引き続き注目すべき市場環境が続きそうだ。














